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マスクの気になる臭いや、落ちにくいファンデ汚れ 解決する洗濯テク

藤原千秋ライター、住生活ジャーナリスト
(写真:アフロ)

 エビデンスは諸説あるものの、いま街中を眺めるに「布マスク」の使用自体は社会的に許容されているように見受けられます。とはいえ罹患者がうなぎのぼりの昨今、筆者は先日、接客業に就いている知人から「紙マスクと布マスクの二重付け」を勧められました。

 まずは紙のサージカルマスクを装着し、その上から布マスクをかぶせるという方法です。コツは布マスクは大きめのものを選ぶこと、その際、その日の服装にカラーをなじませると好感度が高いとのこと。さっそく試しているところです。

 どのように装着するにしても布マスクに洗濯は欠かせません。すでに自己流の洗い方を確立している方も多いことでしょう。ただヒアリングしているとその洗濯方法はまちまち。そのまま洗濯機で洗う方もいれば、洗濯ネットに入れてから洗濯機で洗う方も、またおしゃれ着洗いに準じて洗う方もいます。

 手洗い派でもハンドソープやボディーソープで手洗いする方、食器用洗剤で手洗いする方、石けんを使う方、衣類用洗剤を薄めて使う方、「マスク洗剤」という専用品を使う方などこれまたさまざま。

かなごろうさんによる写真ACからの写真
かなごろうさんによる写真ACからの写真

 そのように使いながら数か月。「においが気になる」「ファンデーションや口紅などの汚れがなかなか落とせない」といった悩みが多く聞かれます。

 今回は、「布マスク」の洗い方を再考、各々のスタンスに合わせたにおいや厄介な汚れ対策についてご説明したいと思います。(「洗えるマスク」であっても「ウレタンマスク」については以下の方法は推奨できません。また「不織布マスク」は基本的に洗濯による再利用を想定されていません。念のため注意してください)。

あなたのスタンスはどれ? 「マスクが傷まないことを重視」「汚れ落としを優先」「手間暇を最小限に」

布マスク
布マスク写真:アフロ

マスクが傷まないことを重視する場合

 ファッション性の高いマスク、なかでも生地に染めがなされていたり、レース、ビーズなどの装飾が付いていたり、耳かけゴム部分にメタル等でできているコードストッパーが施されているなど凝ったもの、繊細なものなどは洗濯機洗いをすると型崩れやほつれが生じやすいと考えられます。この場合は手洗い一択。縮みやすくデリケートなガーゼ素材などの場合も手洗いの方が良いでしょう。

<用意するもの>

・洗濯用中性洗剤(液体、無香ないし微香料が望ましい)

・ぬるま湯

・小型の洗濯板(あれば。100円ショップなどで購入可能)ないしは、食器洗い用スポンジ

・洗顔用クレンジング剤(あれば)

 液体の洗濯用中性洗剤をぬるま湯に「手洗い」の規定濃度になるよう薄め、洗剤成分をしみ込ませるためそこにマスクを漬けおきます。10分ほど置いたら口、鼻の当たる部分を意識的に手のひらで挟むように押し洗いします。

 ファンデーションや口紅の汚れがひどい場合には漬けおきの前に少量のクレンジング剤をしみ込ませて5分ほど置きます。小型の洗濯板があれば、その溝の上を撫でるように汚れの気になる部分を往復させても。新品の食器洗い用スポンジで撫で擦ってもいいでしょう。

 洗いに使う洗剤液がやや濁るなど汚れが移ったのが見て取れたら、綺麗なぬるま湯で2、3回すすぎ、タオルなどに挟んで水分を取り、ゴムの劣化予防のため日陰で干します。

Calmaさんによる写真ACからの写真
Calmaさんによる写真ACからの写真

汚れ落としを優先する場合

 人と多く触れ合う環境や長時間装着しているなど、マスクの傷みよりも汚れ落とし、除菌等を優先したい場合には洗い方を若干変えます。多少変形、色落ち等のリスクはあります。

<用意するもの>

・洗濯用中性洗剤、ないしは洗濯用弱アルカリ性洗剤(いずれも液体、無香ないし微香料が望ましい)

・ぬるま湯

・小型の洗濯板(あれば。100円ショップなどで購入可能)ないしは、食器洗い用スポンジ

・洗顔用クレンジング剤(あれば)

・液体酸素系漂白剤(オキシドール)

 液体の洗濯用中性洗剤ないし洗濯用弱アルカリ性洗剤液体酸素系漂白剤をぬるま湯に「手洗い」の規定濃度になるよう薄め、マスクを漬けおきます。10分ほど置いたら口、鼻の当たる部分を中心に、軽くもみ洗い、ないしは小型の洗濯板に擦り付けるか、新品の食器洗い用スポンジでこすり洗いします。

 ファンデーションや口紅の汚れがひどい場合には漬けおきの前に少量のクレンジング剤をしみ込ませて5分ほど置きます。洗えたら綺麗なぬるま湯で2回すすぎ、タオルなどに挟んで水分を取り、できるだけ日陰で干します。

photoBさんによる写真ACからの写真
photoBさんによる写真ACからの写真

手間暇を最小限にしたい場合

 家族数が多いなど、こまめに手洗いしている余地がない場合には洗濯機で洗うことになるでしょう。ただゴム等が他の洗濯物に引っかかって伸びてしまう可能性があるので、できるだけネットに入れて洗うようにしましょう。

 家族全員分を一つのネットに入れるのは避けたほうが良いでしょう。また、におい残りが生じやすいので柔軟剤は使用せず、洗濯洗剤も水に溶けやすい液体のもの、かつ無香料か微香料のものを選んだほうが安心です。洗濯の際には液体酸素系漂白剤も同時に投入し、除菌効果を高めましょう。

<用意するもの>

・洗濯用中性洗剤、ないしは洗濯用弱アルカリ性洗剤(いずれも液体、無香ないし微香料が望ましい)

・洗顔用クレンジング剤(あれば)

・液体酸素系漂白剤(オキシドール)

・洗濯ネット(小さめ)

 ファンデーションや口紅の汚れがひどい場合には洗濯機に入れる前に汚れに少量のクレンジング剤をしみ込ませておき、そのまま洗濯ネットに入れます。洗剤投入口に洗濯用液体洗剤と液体酸素系漂白剤を入れ、通常通りの洗濯をします。

 洗濯が終了したら速やかに干し乾燥させるようにしましょう。濡れたままの状態で長時間置いてしまうと洗濯物のなかで雑菌が繁殖し、マスクもどんどん臭くなってしまうのでくれぐれも注意してください。

KOHARUSANさんによる写真ACからの写真
KOHARUSANさんによる写真ACからの写真

 共通してのポイントは、洗剤成分をできるだけ残さないようよく濯ぐこと、洗ったあと濡れた状態で長時間置かないことです。洗濯物に残留した余計な洗剤成分や水分は雑菌を育ててしまいます。顔に触れそこを通して息を吸うことになるマスクの衛生状態が洗濯により、より悪化しないことが肝要です。

 いろいろ心配な方は最後にマスクをタオルなどに挟んで低温アイロンをかけてもいいと思いますが、縮み、変形のリスクはありますので、念のため。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

ライター、住生活ジャーナリスト

「家のなか」の事をテーマにウェブ、雑誌、新聞等で執筆。大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。主な著・監修書に『人生が整う 家事の習慣』(西東社)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー!!』(オレンジページ)、『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)等。2020年1月より東京中日新聞にてコラム『住箱のスミ』連載中。

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