かんしゃくを起こす子に保育園でしていること超具体例10つ「紐通しにお散歩やお手伝い」
現役保育士(幼保英検1級)です。
泣いて叫ぶ、手足をばたばたする、床に寝っ転がる、物を投げるなど、子どもの激しい癇癪(かんしゃく)に参っている方もいるでしょう。
保育園や幼稚園で過ごしている間も同様で、突然「うわーっ」と叫びながらドアに走っていく子を見るのは毎日のことです。
かんしゃくを起こしている子に対しては、まず気持ちを落ち着けるのが良いなどと言いますが、具体的には何をすべきかと迷いますね。
今回は、保育園でも実践している、癇癪を起こしている子への対応を超具体的に10個紹介しますよ。
癇癪はいつまで続く
かんしゃくの原因は欲求不満や疲労、空腹などです。
たいてい1歳になる前くらいからかんしゃくを起こすようになり、2~4歳になると激しさは最大化。
5歳を過ぎると減っていきます。
1.危ないものを遠ざける
癇癪を起した場合、まず行うのが安全確保です。
その子自身の周りから、硬いものやとがったものを遠ざけます。
足を蹴って暴れることもあるので、保育園という集団活動の場では、いったん癇癪の子とお友達との距離も取ります。
2.紐通しをする
紐通しなど手先を使いつつ集中して行える遊びを促します。
例えば給食中に、癇癪の子だけ突然紐通しをし始めるのは多少滑稽ですが、別のことに集中することで落ち着くことが多いです。
クールダウンの時間を与えるために行う「タイムアウト」のために行います。
3.ベランダから外を見る
室内で癇癪を起したのなら、ベランダに連れ出して外の景色などを見てもらいます。
こちらも紐通しなどと同様、クールダウンと気持ちの切り替えのために行います。
癇癪を起している子以外にも、泣いて登園して来た子などにも同様に外の景色の観察を促すことがありますよ。
4.シール貼りをする
落ち着かせるために、シール貼りなども良いです。
シールを台紙から剥がしてひたすら貼るだけですが、何枚も貼っているうちに泣き叫ぶのをやめて落ち着いてくれます。
シールは大きな1枚ではなく、何枚も繰り返し貼れるようなシールがおすすめです。
5.散歩をする
癇癪を起した部屋からいったん出て、廊下などを手をつなぎながら散歩します。
いつものお友達から離れて、別のお友達や先生を見ることで気持ちが切り替わるようです。
6.お茶を飲む
落ち着くという目的の他、お茶を飲んでいるときは口が閉じるので泣き叫びがストップします。
無理に飲ませようとするとコップを手で払って割ってしまう可能性があるので、要注意。
7.お友達におやつをあげるふりをする
「〇〇ちゃんが使っていたダンプカー、もらっちゃおう」「〇〇ちゃんのおやつ、お友達にあげちゃおうかな」と、食べ物やおもちゃなどを他のお友達にあげるふりをすると、我に返る子もいます。
8.お手伝いをしてもらう
お友達に折り紙を配る役、台ふきを取ってきてもらう役など、年齢に応じてできる小さなお手伝いを頼みます。
お手伝いが終わるとまた癇癪が再発する場合がありますが、お手伝いをしてもらっている間は落ち着ける子が多いです。
9.声をかけずに待つ
クールダウンを試みても癇癪が続く場合は、声をかけたり干渉したりせずに、安全を確保した上で、しばらく様子を見ます。
集団生活である保育園においては、一人だけに対応しているわけにもいきません。
気が済むまで暴れると、自分から皆のところに戻り、何事もなかったように活動に参加できる子もいます。
10.抱っこなどでスキンシップを取る
少し落ち着けたところで、抱っこをするなどでスキンシップを取ります。
このときに「久しぶりの保育園で疲れちゃったんだね」「お友達と同じことがしたかったんだね」など、気持ちに寄り添った声掛けをします。
集団活動の保育園においては、本人やお友達がけがをすることを防ぐために、一旦抱っこで保護するという理由もありますね。
まとめ
保育園でも実践している、癇癪を起している子への対応を超具体的に紹介してきました。
激しい子どもの癇癪には大人が参ってしまいますが、5歳前後には収まってくることが多いので安心してくださいね。