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「青春18きっぷ」1回分で乗車可能な釧路―函館間、「乗り通し不可」の逆区間ではどこまで行けるのか?

鉄道乗蔵鉄道ライター
函館から釧路方面はどこまで行ける!?(画像:Google Maps)

 例年と比較して発売開始の発表が遅かったことから、一時は廃止説すら流れた「青春18きっぷ」。2024年の夏季分は7月10日から8月31日まで発売される。利用期間は7月20日から9月10日までの任意の5日間となり、販売価格は12,050円だ。

 2024年6月27日付記事(「青春18きっぷ」、1回分で乗り通しが可能な北海道内の「意外な長距離区間」はどこ!?)では、「青春18きっぷ」1回分で、釧路―函館間579.2kmを15時間29分で走破できることを述べた。しかしその一方で、この逆区間である函館―釧路間では成り立たないことに触れた。筆者のもとにはこの理由が知りたいとの意見をいただいたが、これは石勝線の追分―新夕張間には2.5往復の普通列車の設定しかなく、うまく接続がとれないため別途、運賃・特急料金を支払って特急列車に乗車するしか手段がないためである。

 さらに、南千歳―新夕張間で別途、運賃・特急料金を支払って特急列車に乗車しても、池田駅までしかいくことができない。

青春18きっぷ(写真AC)
青春18きっぷ(写真AC)

函館―池田間の乗り継ぎパターンは?

 「青春18きっぷ」を最大限に活用した函館―池田間の乗り継ぎパターンは以下のようになる。

・函館08:18→11:09長万部 函館本線 長万部行

・長万部13:29→15:02倶知安 函館本線 倶知安行

・倶知安15:16→16:26小樽 函館本線 小樽行

・小樽16:31→17:46南千歳 快速エアポート146号 新千歳空港行

・南千歳18:00→18:32新夕張 特急おおぞら9号 新得行

※乗車券970円と指定席特急券1,160円の2,130円が必要

・新夕張19:45→20:43新得 特急とかち7号 帯広行

※特例により普通車指定席の空席に乗車可

・新得21:58→23:31池田 根室本線 池田行

 小樽駅からの快速エアポートで南千歳駅に到着するのは17時46分であるが、この15分前の17時31分に最終の新夕張行の普通列車が発車してしまうことから、南千歳から先に進むには特急列車に乗り継ぐほかはない。

 南千歳から先の特急列車については、新得駅まで乗り通してしまうと特例の適用対象外となってしまい、南千歳―新得間の運賃2,860円と指定席特急券2,360円の合計5,220円が必要となるので、「青春18きっぷ」の特例措置を利用するためには新夕張駅で一旦、下車する必要がある。

 南千歳駅から新得駅まで、5,220円を支払って特急おおぞら9号に乗り通した場合は、新得駅に19時33分に到着し、その後、20時9分発の浦幌行の普通列車に接続する。この列車では池田駅の先にある浦幌駅には22時26分に到着することができるが釧路駅までは到達することはできない。

池田駅(写真:Mister0124 CC BY-SA 4.0)
池田駅(写真:Mister0124 CC BY-SA 4.0)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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