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週末は北日本で荒れた天気、北海道は本格的な冬の始まり

饒村曜気象予報士
晴天域が広がる日本列島(11月2日15時00分)

北日本に日本海北部の小さな低気圧接近

 日本列島は大陸からの高気圧の張り出しによって概ね晴れています。

 しかし、日本海北部には上空に寒気を伴った小さな低気圧があり、今後発達しながら前線を伴って北日本に接近・通過する見込みです(図1)。

図1 地上天気図(11月2日21日)
図1 地上天気図(11月2日21日)

 このため、北日本や北陸では所々で雨が降り雷を伴う所もある見込みです。北海道では、平地でも雪の混じる所があるかもしれません(図2)。

図2 予想天気図(11月3日21時の予想)
図2 予想天気図(11月3日21時の予想)

 これから終末にかけて、強い寒気が南下し、北日本を中心に西高東低の冬型の気圧配置になり、北日本を中心とした荒れて天気となりそうです。

 北日本は本格的な冬の到来です。

 一方、東日本の太平洋側や西日本は概ね晴れの日が続くでしょう。

 ただ、南西諸島はくもりや雨となる見込みです。

 令和4~5年(2022~23年)の冬は、10月25~27日の寒気南下で始まったといえます。最低気温が氷点下となる冬日が、全国の約20パーセントで観測されました(図3)。

図3 夏日と冬日の観測地点数の推移(10月16日~11月2日)
図3 夏日と冬日の観測地点数の推移(10月16日~11月2日)

 数日前には、最高気温が25度以上の夏日が、全国の20パーセント以上で観測されていますので、10月下旬の寒さは、実際の温度以上に寒く感じた人が多かったのではないでしょうか。

 その後、しばらくは冷え込まなかったのですが、週末にかけては再び冷え込み、冬日の観測地点数が増えてくると思われます。

初がつく冬の指標

 冬の訪れをつげる指標に、冬日などの他に、初冠雪、初雪、初霜、初氷という初の字がつくものがあります。

 令和4~5年(2022~2023年)冬の初冠雪は、9月30日に甲府地方気象台が富士山の初冠雪を観測したのを始め、これまでに初冠雪を観測する44山のうち、18山で観測しています。

 これまで平年より早いのは富士山など10山、遅いのは(平年を過ぎているのに未観測の山を含む)10山、同日が4山と、早遅が拮抗していますので、初冠雪からみると、今年の冬の訪れは平年並みに推移しているといえるでしょう。

 また、初霜と初氷は、10月下旬に平年より早く観測されています(表)。

表 令和4年(2022年)10月以降の初霜と初氷の発表日
表 令和4年(2022年)10月以降の初霜と初氷の発表日

 初霜からみると、今年の冬の訪れは平年より早そうです。

 そして、これまで雪が降っても標高の高い地域で、気象官署がある平野部では、雪が降っていませんので、初雪の観測はありませんが、週末にかけての寒気南下で、初雪を観測するかもしれません。

 初雪の平年値は、稚内と旭川の10月19日、札幌と帯広で11月1日ですので、週末にかけて初雪が降ったとしても、平年より遅い初雪となります。

 初雪からみると、今年の冬の訪れは平年より遅く、冬の訪れを示す「初」の字がついた指標はバラバラのことを示しています。

文化の日以降の10日間

 文化の日(11月3日)以降の各地の10日間予報をみると、北日本と北陸地方は雲が多く、週末は雪か雨の予報です。

 西日本から東日本の太平洋側は晴れの日が続く見込みです。

 そして、南西諸島は周期的に雨が降る予報となっています。

 気温は、週末以降の西日本から東日本の太平洋側では、日中に晴れ間があっても最高気温が20度に達しないところが多くなり、最低気温も次第に10度を下回る所が多くなりそうです(図4)。

図4 各地の10日間予報(数字は最低気温)
図4 各地の10日間予報(数字は最低気温)

 11月5日(土)から7日(月)の福岡の最低気温は9度と冷え込む見込みですが、その7日は二十四節気の「立冬」です。

 季節は着実に冬へとむかっていますので、体調を崩さないようにお気をつけください。

タイトル画像、図4の出典:ウェザーマップ提供。

図1、図2の出典:気象庁ホームページ。

図3、表の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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