週末は北日本で荒れた天気、北海道は本格的な冬の始まり
北日本に日本海北部の小さな低気圧接近
日本列島は大陸からの高気圧の張り出しによって概ね晴れています。
しかし、日本海北部には上空に寒気を伴った小さな低気圧があり、今後発達しながら前線を伴って北日本に接近・通過する見込みです(図1)。
このため、北日本や北陸では所々で雨が降り雷を伴う所もある見込みです。北海道では、平地でも雪の混じる所があるかもしれません(図2)。
これから終末にかけて、強い寒気が南下し、北日本を中心に西高東低の冬型の気圧配置になり、北日本を中心とした荒れて天気となりそうです。
北日本は本格的な冬の到来です。
一方、東日本の太平洋側や西日本は概ね晴れの日が続くでしょう。
ただ、南西諸島はくもりや雨となる見込みです。
令和4~5年(2022~23年)の冬は、10月25~27日の寒気南下で始まったといえます。最低気温が氷点下となる冬日が、全国の約20パーセントで観測されました(図3)。
数日前には、最高気温が25度以上の夏日が、全国の20パーセント以上で観測されていますので、10月下旬の寒さは、実際の温度以上に寒く感じた人が多かったのではないでしょうか。
その後、しばらくは冷え込まなかったのですが、週末にかけては再び冷え込み、冬日の観測地点数が増えてくると思われます。
初がつく冬の指標
冬の訪れをつげる指標に、冬日などの他に、初冠雪、初雪、初霜、初氷という初の字がつくものがあります。
令和4~5年(2022~2023年)冬の初冠雪は、9月30日に甲府地方気象台が富士山の初冠雪を観測したのを始め、これまでに初冠雪を観測する44山のうち、18山で観測しています。
これまで平年より早いのは富士山など10山、遅いのは(平年を過ぎているのに未観測の山を含む)10山、同日が4山と、早遅が拮抗していますので、初冠雪からみると、今年の冬の訪れは平年並みに推移しているといえるでしょう。
また、初霜と初氷は、10月下旬に平年より早く観測されています(表)。
初霜からみると、今年の冬の訪れは平年より早そうです。
そして、これまで雪が降っても標高の高い地域で、気象官署がある平野部では、雪が降っていませんので、初雪の観測はありませんが、週末にかけての寒気南下で、初雪を観測するかもしれません。
初雪の平年値は、稚内と旭川の10月19日、札幌と帯広で11月1日ですので、週末にかけて初雪が降ったとしても、平年より遅い初雪となります。
初雪からみると、今年の冬の訪れは平年より遅く、冬の訪れを示す「初」の字がついた指標はバラバラのことを示しています。
文化の日以降の10日間
文化の日(11月3日)以降の各地の10日間予報をみると、北日本と北陸地方は雲が多く、週末は雪か雨の予報です。
西日本から東日本の太平洋側は晴れの日が続く見込みです。
そして、南西諸島は周期的に雨が降る予報となっています。
気温は、週末以降の西日本から東日本の太平洋側では、日中に晴れ間があっても最高気温が20度に達しないところが多くなり、最低気温も次第に10度を下回る所が多くなりそうです(図4)。
11月5日(土)から7日(月)の福岡の最低気温は9度と冷え込む見込みですが、その7日は二十四節気の「立冬」です。
季節は着実に冬へとむかっていますので、体調を崩さないようにお気をつけください。
タイトル画像、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図1、図2の出典:気象庁ホームページ。
図3、表の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。