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札幌―網走間を5時間半で結ぶ特急オホーツク号 閑散とした土休日と利用多い平日で乗客に差?

鉄道乗蔵鉄道ライター
特急オホーツク号(写真AC)

 JR北海道は、この3月のダイヤ改正で特急列車の指定席を拡大し、室蘭・函館方面と帯広・釧路方面の特急列車の往復割引切符の窓口での販売を廃止し、割引切符は原則としてえきねっとでの販売に移行されたことが話題となった。

 JR北海道では、2024年のゴールデンウィーク期間明けの5月11日から5月30日まで北海道内の特急列車が6割引となる「トクだ値スペシャル21」というキャンペーンを実施した。これは乗車日1か月前の10時から乗車日21日前の23時50分までの間に予約した特急列車の運賃・特急料金がともに6割引となるというものだ。

 筆者はこの機会を利用すべく特急列車8列車に乗車することとして、えきねっとでの予約を行った。今回のえきねっとでの予約については、せっかくなのでクレジットカード、コンビニ・金融機関、駅窓口支払の全てのパターンを試してみたことについては、2024年5月27日付記事(使い勝手で話題?「JR北海道えきねっと」 カード、コンビニ、駅窓口 全ての決済方法試して分かったこと)で触れたとおりで、この日は特急オホーツク号に乗車した。

「トクだ値スペシャル21」は座席数を絞って販売?

 特急オホーツク号は、札幌―網走間に1日2往復が設定されており、374.5kmを約5時間半で走破する。2023年3月のダイヤ改正以前まではキハ183系4両編成による運行が行われておりグリーン車も連結されていたが、ダイヤ改正以降は、元特急スーパーおおぞら号のキハ283系3両編成の運行に改められグリーン車の連結はなくなった。

 2024年3月のダイヤ改正以降、北海道内の特急列車の指定席の拡大、窓口での往復割引切符の廃止と割引切符のえきねっとでの販売移行が話題となっているが、札幌から網走方面に関しては、特急列車の指定席が往復利用できるRきっぷが札幌―遠軽・北見・網走間で、特急列車の自由席が往復利用できるSきっぷが旭川―北見・網走間に残されており、駅窓口での購入も可能だ。

 なお、札幌―網走間の特急指定席の正規の運賃・料金は片道10,540円。Rきっぷ利用で片道8,750円(往復分の販売額17,500円)、前日までの予約が必要なえきねっとトクだ値が5月中は片道7,360円、2024年のゴールデンウィーク後の期間に設定されたえきねっとトクだ値スペシャル21で片道4,200円となっていた。

 筆者は、ゴールデンウィーク期間中に特急オホーツク号のトクだ値スペシャル21のえきねっと予約を行ったが、この時点で残席は「△」となってはいたものの、シートマップを見たところまだかなりの空席が残っており、6割引きとなるトクだ値スペシャル21については、販売座席数を相応に絞っていたものとみられた。

自由席は混雑、北見までは多い利用者

 そして、月曜日の乗車当日となり札幌駅から実際に乗ってみると、1両の自由席はやや混雑状況で、2両の指定席も6割弱の乗車状況だった。さらに、旭川駅では、下車する乗客はあまりおらず筆者が乗っていた1号車については10名程度が乗車。その後、大半の乗客は北見駅で下車していった。特急オホーツク号については、6割引きのトクだ値21スペシャルの座席数を絞っての発売だったにもかかわらず、乗車当日は一定のビジネス利用が見られる状況であったこと。また、窓口でのRきっぷとSきっぷの販売を続けていることから平日に限ってはダイヤ改正の影響は軽微であるように感じられた。

 特急オホーツク号は、旭川駅を過ぎて宗谷本線に入り、新旭川駅から石北本線へと別れて網走を目指すが、石北本線区間に入ってしばらくすると急に車両の揺れが激しくなったことが気になった。区間によっては揺れの少ないところもあったが、ところどころに揺れの激しくなる区間があり、保線の状況が心配になってしまった。

 なお、【北海道】乗り物大好きチャンネルさんの方では、筆者が特急オホーツク号に乗車した前々日の土曜日に同じ列車に乗車し、そのときの様子をレポートしているが、土休日では筆者が乗車した平日とはまた様子が異なっているようだ。

 平日と土休日では、おそらくビジネス客と観光客とで客層が分かれていること、ビジネス客と観光客では受け入れてもらいやすい販売方法が異なるため、客層と販売方法をそれぞれ切り分けて分析する視点も必要と感じた。

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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