日向坂46大成功の配信ライブ、ロビンマスクは虹の夢を見たのか?
日向坂46の2回目となる配信ライブが大成功で終了しました。
なにしろ、有料視聴者数9.2万人、推定視聴者数30万人です。内容は急遽延期になってしまった春に行われるはずだった全国ツアーを再現するというものでした。さらに新3期生の実質的なお披露目のライブでもありましたし、2年ぶりに活動に復帰した影山優佳の復活ライブという意味合いもありました。
「日向坂46/HINATAZAKA46 Live Online, YES!with YOU!」
そして2回目ということもあり、会場も大きくなり、というか開催されるはずだったツアーの再現だったため、1回目とは演出もカメラの使い方も段違いで進歩していました。ARすら取り入れていました。中でも、後半クライマックスの「キツネ」の演出(と超高速の早着替え)は、散々ライブを見てきたファンもびっくりする演出。すでにライブでも目玉曲のひとつである曲の中に新たにウエストサイド物語的なストーリーを見出した演出は強く記憶に残るものになりました。
そういった演出はもはや3時間ライブずっと生歌ということが話題にすらならない日向坂46メンバーのライブの力があってのことでもあると思います。そういえば、中間に換気タイムがあったせいでしょうか、かなりの数の曲がショートバージョンにもなっていましたね。
そして、今回の配信で新要素としてあったのが、インタラクティブシートという耳慣れない言葉でした。
そして、そのインタラクティブシートを使っての演出でいちばん注目を集めたのは、なぜかロビンマスクでした(笑)。
なぜ日向坂46のライブでロビンマスクなのか?ということは少し解説が必要になるでしょう。
日向坂46とキン肉マンの関係は冠番組である「日向坂46で会いましょう」でキン肉マン特集が組まれたことと関係があります。この特集の中でいわば大喜利のネタとして多用されたのがロビンマスクだったというわけです。そしてそのことは日向坂46ファンの間では周知のこととなっているため、ロビンマスクがネタとして成立するわけです。キャプテンが率先して、女性誌なのにロビンマスクで登場もしていました。
インタラクティブシートに顔出しで登場する際にロビンマスクを持ち出した人がいたわけはそういうことです。
ただインタラクティブシートに関係したことで、ロビンマスクが一番注目を集めてしまったというのはライブを演出する側としては若干失敗だったと言えるかもしれません。この辺のもやもやした感じが若干残っていたのですが、なんとツイッターにこのロビンマスクの人のアカウントを発見しました。
そこでダメ元でこのロビンマスクの人にコンタクトを取ってみたところ、こころよくインタラクティブシートの裏側について聞くことができました。
ということで、以下ロビンマスクのおひさまさんのインタビューです。
いしたに:早速ですが、なんでロビンマスクだったのか?って話から聞きたいのですが(笑)。
ロビンマスクのおひさま:どうせおひさま(日向坂46ファンのこと)しか見ないライブとはいえ、さすがに自分の顔を出すのはどうかなと思ったんですよね。そこで何か顔を出すとしたら、何かのマスクがいいかなーと思って、そうしたら自然とロビンマスクを注文していました。
い:なるほど(笑)。ロビンマスクが注目を集めた理由の一つにロビンマスクが微動だにしなかったっていうのがあると思うんですけど、あれはどういうことだったんですか?
ロ:実はそもそもライブ配信とインタラクティブの映像がずれが10秒ぐらいあったんですよ。さらにインタラクティブの方の音声がよく聞こえなくて、ライブ配信の音声の方を聞いていたんです。インタラクティブコーナーでみんなが何やってるのかよくわかってなかったんです。気づいたらメンバーにもロビンマスクをいじられていて、これはどうしたものかとプチパニック状態ではありました(笑)。気づいたら質問終わってましたし。
い:だはは、まあ慣れるわけがない状態ではありますものね。さて、実際インタラクティブシートで参加してみてどうでしたか?
ロ:正直良いところ悪いところいっぱいありました。最初、当選の連絡を受けたときはうれしかったですよ。ただまず意外とやることがいっぱいあったんですよ。リハーサルもありましたしね。
い:リハーサルあったんですね。
ロ:ライブでも案内がありましたが、今回のインタラクティブシートはCISCOのWeb会議の仕組み(Cisco Webex)を使っていました。当然こういうものに慣れてる人慣れていない人もいるわけです。だからリハーサルをやったこと自体はよかったと思います。
い:それでライブの完成度が上がるならオッケーってことですよね。
ロ:そうなんです。ところが実際にライブが始まってみると、けっこう困りました。まずは、ライブを見ることにチケット代を払ったはずなのにまったくライブに集中できません(笑)。
い:それはどういうことですか?
ロ:Web会議の仕組みを使っているから仕方がないのですが、ライブの音をスピーカーとかで聞いていてマイクがオンになるとエコーバックが起きちゃって、ハウリングの原因になるんです。だからいろいろと気を使わないといけないことがあったんです。これは正直めんどくさかったです。
い:ああ、Web会議あるあるですね。
ロ:でも、私が参加しているのは日向坂のライブなんですよ(笑)。
い:そりゃ、そうですね。
ロ:インタラクティブタイムで、質問する人・される人に選ばれたときはこちら側にマイクが必要だから、いろいろとみんな大変というのは理解はできるんです。でも、カメラは常にオンだったりして、それも気になってました(笑)。他のおひさまの顔も見えてしまいますし。ライブも結局ヘッドホンで聞くことになったんですが、ライブはスピーカーでいい音で聞いていたかったなあとも。
い:うわー、それは想像以上にごくろうさまでした。
ロ:はい(笑)。1回で結構な人数の人(400人程度)が参加していましたから、やっぱりWeb会議とかに慣れてない人もいて、その困っている人を他のおひさまがチャットとかで助けているのは本当によい話なんですけど、やっぱり、それちょっとおかしいですよね(笑)。実際、途中でなにもしなくなってしまった人たちもいました。
い:それはみんなたいへんでしたね。親切な人ほど、ライブどころじゃなくなっちゃう。
ロ:あと、妙にロビンマスクに注目が集まっちゃうのも、これ正直言って悪目立ちだなあと思いました。だから実はもう途中からインタラクティブシートでロビンマスク出さないように画面切っていました。
い:あー、それはわかります。私もロビンマスク何度か探しました(笑)。
ロ:それは申し訳ないことしました。
い:いえいえ。
ロ:そんなこんながあって、これみんなにきっと伝わらないだろうなーと思って、実はツイッターのアカウントも作りました。
い:いろいろと本意ではないところもあったわけですね。ただ、お話を聞いて思ったのは、数万人規模に配信するライブのシステムとWeb会議のシステムを同時に使うのって、相性が悪いのかもしれないですね。
ロ:そうだと思います。今回ははじめてということもあって、運営は準備も当日もお疲れ様でしたし、参加したおひさまは助け合って、ライブに協力していたと思います。でも、これをこのままで今後もやっていくのは無理があるかなあとも。
い:それこそLINEみたいなところがファンの視聴と参加を統合したシステムを作ってくれるといいのかもしれないですね。
※インタビューここまで
なお、インタラクティブシートでも最後に再現されていましたが、無観客ライブということもあり、ジョイフルラブの#虹色作戦がツイッターでも盛り上がっていました。
この#虹色作戦というのは、ジョイフルラブがライブで歌われる際に、この曲の間、ライブ会場をファンのペンライトで虹色に染めるという、ファンが勝手にはじめた、今となっては日向坂46ライブではおなじみになっている光景のことです。
▼以下のライブ会場の様子は2019年9月のもの
今回はライブ配信であったため、ツイッターで日本全国で虹色を作ろうという呼びかけがありました。
さらに、これはライブ配信であったからこそだと思うのですが、この虹色作戦(#rainbowplan)が海外にも広まっていました。そう、ライブ配信なら海外からも参加できたんです。
日向坂46はひらがなけやき時代に韓国にも行っていましたし、そもそも帰国子女が何人かメンバーにいるアイドルグループでもあります。
いつか、海外公演も含めて、ホントにジョイフルラブの虹色が世界に広がることも夢ではないのかもしれません。
なお、この日、日向坂46配信ライブに関するツイッターは13万件を超えていました。これもライブ配信だからこその結果だったと言っていいでしょう。