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猛暑の影響が食卓へ 秋にかけて心配なこと#専門家のまとめ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
野菜の値段が高くなると料理に困ることも(写真:イメージマート)

 猛暑日(日最高気温35度以上の日)が止まりません。福岡県太宰府市は31日連続、愛知県名古屋市は25日連続など、各地で観測史上最高の暑さとなっています。

 この記録的な猛暑が生活に与える影響についてまとめました。

ココがポイント

▼全国的に暖かい空気に覆われて、秋の訪れは遅れる予想 

厳しい暑さ長引く 「高温に関する早期天候情報」も 気象庁1か月予報(ウェザーマップ)

▼猛暑の影響が野菜に広がる

夏野菜がピンチ…価格はトマト17%増、キュウリは31%増「初めてこんな枯れ方を…」猛暑の影響が直撃=静岡県(SBS静岡放送 TBS NEWS DIG)

▼雨降らず、ダムの貯水率も低下 秋の味覚に被害

記録的な猛暑 農作物などに影響 恵みの雨を待つ声【熊本】(TKUテレビ熊本)

エキスパートの補足・見解

「危険な暑さ」という言葉を聞かない日はないくらい今年も暑さが際立っています。

 毎日の猛暑日地点数を積算してみると、今年は17日までに、7,294地点(のべ)となり、最近10年平均の2倍以上となっています。

 驚くのはこれまでで最も多かった2023年を上回っていること。史上最高の暑さの夏が2年続けて起こるとは、思っていませんでした。

全国の猛暑日の地点数の積算(7/1~8/17)、筆者作成
全国の猛暑日の地点数の積算(7/1~8/17)、筆者作成

 2023年の猛暑では野菜高騰が長く続き、落ち着いたのは11月でした。また、水稲の品質低下によるコメ不足は今も尾を引いています。

 そして、暑さが落ち着いた10月頃、蚊が再び、活発になる、紅葉の時期が遅くなるなどの影響もありました。

 今年も猛暑の影響は避けられず、この秋にかけて様々な形で、深刻化する可能性があります。

【参考資料】

気象庁:2023年夏(6月~8月)の天候まとめ

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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