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夏が終わる。でも

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
【気象庁1か月予報】11月初めにかけての気温予想図、ウェザーマップ作画

 この夏、東京の夏日は143日となり、2023年と並び観測史上最も多くなりました。もう夏ではないけれど、秋が来たという実感もない。季節感が曖昧になるのが温暖化や気候変動なのかもしれません。

全部まとめて143日

 真夏日の数に猛暑日の数は入るのですか、と聞かれることがあります。

 バラバラに数えているように思うかもしれませんが、日最高気温30度以上を真夏日と言っているため、そのなかには猛暑日の数も含まれています。もちろん、日最高気温25度以上の夏日の数には真夏日と猛暑日が含まれます。

 言葉にするとややこしいですが、図にするとこんな感じです。

夏日、真夏日、猛暑日の数を図式したもの、筆者作成
夏日、真夏日、猛暑日の数を図式したもの、筆者作成

暑さが社会を変える

 夏が過酷なのは今年に限ったことではありませんが、東京の場合、どの温度帯が増えているのか、調べてみました。

25度以上30度未満、30度以上35度未満、35度以上の3つの温度帯に分けてグラフにしたもの:東京(2014年~2024年)、筆者作成
25度以上30度未満、30度以上35度未満、35度以上の3つの温度帯に分けてグラフにしたもの:東京(2014年~2024年)、筆者作成

 割合からいえば、25度以上30度未満と30度以上35度未満が拮抗していますが、この数年は30度以上が増えているようです。

 より気温の高い日が増えれば、衣食住すべてに影響します。漠然と思っていた気候変動が社会を変える日も近いと実感します。

季節の進みはゆっくりと

 今後も日本列島は暖かい空気に覆われて、気温の高い状態が続くでしょう。急に寒くなる可能性は低く、紅葉は今年も2週間程度遅れそうです。

気象庁1か月予報解説資料より:上空約1500メートルの気温予想図(10/5~11/1)
気象庁1か月予報解説資料より:上空約1500メートルの気温予想図(10/5~11/1)

【札幌、仙台、東京】2週間気温予想、気象庁ホームページより
【札幌、仙台、東京】2週間気温予想、気象庁ホームページより

【大阪、広島、福岡】2週間気温予想、気象庁ホームページより
【大阪、広島、福岡】2週間気温予想、気象庁ホームページより

【参考資料】

気象庁ホームページ:2週間気温予報

気象庁:1か月予報(10/5~11/4)、2024年10月3日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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