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「箱根駅伝」をネタにした新年スピーチ4つの重要ポイント

横山信弘経営コラムニスト
一本の襷を途切れることなく繋ぐ(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

■ビジネスパーソンの心を掴む新年のスピーチ

「まさか、こんなにうまく話せるとは思ってなかった!」

ある社長が「箱根駅伝」をネタにした新年のスピーチを、全社員の前で披露した。すると反響がとても大きかったと言う。

「教えていただいた4つのポイントを、わかりやすく話しただけです」

こう言って社長は満面の笑みを浮かべた。

新年の挨拶やスピーチで「箱根駅伝」は鉄板のネタだ。どの大学が優勝しても、どんな想定外のドラマがあっても、ビジネスパーソンの心を掴む。

とくに、今回ご紹介する4つの重要ポイントだけ押さえれば、

「新年からいい話を聞けました」

「身が引き締まる思いです。ありがとうございます」

と声を掛けられることは間違いない。

今回は、「箱根駅伝ネタ」でスピーチをする際に、絶対に押さえるべき4つの重要ポイントについて解説する。

箱根駅伝2023(第99回東京箱根間往復大学駅伝競走)は、2023年1月2日(月)~3日(火)開催。

最後まで読むことで、ビジネスパーソンの目で箱根駅伝2023をよりいっそう楽しめることだろう。新年のスピーチでネタにしたい方は、どのように話せばいいかを知ることができる。ぜひ最後まで読んでいただきたい。

■「箱根駅伝ネタ」4つの重要ポイント ~①ビジョンの重要性~

冒頭に書いた通り、「箱根駅伝ネタ」で新年のスピーチをするときは、4つの重要ポイントを押さえればいい。その重要ポイントとは以下の4つである。

①ビジョンの重要性

②チームワークの重要性

③スキルアップの重要性

④マネジメントの重要性

まず①について解説する。ビジョンの重要性だ。「あるべき姿」「ありたい姿」――ビジョンを共有することでチームが一つになり、チームは実力以上の力を発揮することができる。

箱根駅伝に出場するどのチームもめざすのは優勝だ。しかし箱根駅伝の面白いところは、優勝以外にもめざすべき目標があること。それが、

「シード権の獲得」

である。たとえ優勝が難しくなっても、レースの途中から「シード権獲得」に戦略変更をするチームがあらわれ、数々のドラマ、名勝負を生んできた。優勝が決まっても、最後まで諦めないチームの姿勢が私たちビジネスパーソンの心を掴んで離さない。

■②チームワークの重要性「一本の襷(たすき)を繋ぐ」

次に②チームワークの重要性だ。

箱根駅伝における有名なキャッチフレーズは「一本の襷(たすき)を繋ぐ」である。このフレーズに、チームワークの重要性が込められている。

先頭チームから、一定以上差がついてしまった場合「繰り上げスタート」のルールが適用される。その際、第一走者から繋いできた「襷」が途切れることになるのだ。

「襷」が途切れることは、選手たちにとって大変ツラいこと。だから優勝も、シード権獲得も、難しくても、

「一本の襷を途切れることなく繋ぐ」

という目的のためにチームワークを発揮しようとする。この姿勢に我々ビジネスパーソンの胸を打つのである。

■③スキルアップの重要性「区間記録」に注目!

次に③スキルアップの重要性だ。個の力にもフォーカスすることで、主体的にスキルアップしようという意識がメンバーの中で芽生える。この姿勢こそがチームの底上げに繋がるのだ。

箱根駅伝では全体のタイムだけでなく「区間記録」もフューチャーされる。その結果、チームではなく個人のスターが誕生することが多いのも特徴の一つだ。

チーム力ももちろん大事。しかし個人のスキルアップもまた重要であることを、箱根駅伝は教えてくれる。

■④マネジメントの重要性「どの区間にどの選手を任せるか」

最後に④マネジメントの重要性だ。箱根駅伝は想定外の連続。ビル街を抜ける平坦な道のりではスピードランナーたちの駆け引きが、勝負どころになるいろいろな「坂道」では、ペースコントロールに苦しむ選手が増え、目まぐるしく順位が入れ替わる(ことがある)。

そこで重要になってくるのがマネジメントだ。マネジメントとは、目標を達成するために効果効率的にリソースを配分することである。どの区間にどの状態の選手を任せるか。このマネジメントによって、レース展開はまったく変わってくる。

単に結果だけに着目するのではなく、どのようなスキル、どんな特長の選手がどの区間を任されるのか。そこに注目して箱根駅伝を楽しむのもいい。

絶対的なエースがいなくても、マネジメントを工夫することでポテンシャル以上の力を発揮できるチームがある。これはビジネスパーソンにとって、非常に勉強になるポイントだ。

■不確実性の高い時代だからこそ「箱根駅伝」

これら4つポイントが多くの人の心をとらえるのは、企業経営するうえで欠かせない重要ポイントをすべて網羅しているからだ。「箱根駅伝」が多くの企業経営者、ビジネスパーソンを強く魅了するゆえんである。

昨年の最大の出来事は、まぎれもなく「ロシアのウクライナ侵攻」だ。このように、2022年は誰も予想しなかったことがいくつも起きた。「安倍元首相の銃撃事件」「32年ぶりの超円安」もそう。2023年もまた、想定外の何かが起こるかもしれない。

そんな不確実性の高い時代だからこそ、箱根駅伝の4つの重要ポイントは人の心に響く。

ビジョンの共有はもちろんのこと、過去のやり方に固執せず絶えずスキルアップしていこう。マネジメント力を磨いていこう――。

実際の「箱根駅伝」がどのような結果になろうとも、4つのポイントをうまく活用して新年の挨拶、スピーチの構成を練られたらと思う。

ぜひ参考にしてもらいたい。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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