2018年 世界のお天気総まとめ (奇妙な現象編)
ブラックユーモアで知られるアメリカの書籍『悪魔の辞典』には、このようなことが書かれています。
【天気とは… 樹上で全裸で生活していた祖先たちから、それについて話す傾向を受け継いでいる人々が半永久的に取り上げる話題】
とりあえず話題に事欠いたら天気話をするという慣習は、我々の遺伝子レベルで組み込まれているということなのでしょうか。
年末の話のネタ作りに、2018年の天気話、中でも耳や目を疑うような気象現象を紹介したいと思います。
1. ギネスも認定! 長くかかりすぎた台湾の虹
虹が15分も出ていたら見ている人はいなくなる、そういったのは文豪ゲーテ。しかし2017年台湾に出現した虹は9時間も空にかかり続けたにもかかわらず、その一部始終が記録され、今年ギネスブックに登録されました。
虹の観測に成功した気の長い人たちは中華文化大学の教授や生徒たちで、その写真の枚数は1万枚にも及んだとか。
これほど長く虹が出続けた理由は、北西から吹き付ける季節風によって湿った空気が流入し続け、雨・雲・太陽と風速の絶妙な気象条件が整ったからとのことです。
2. 規格外サイズの雹!! アルゼンチンの夏嵐
一般的に直径2.5センチの雹の落下速度は80キロに達し、屋根などが損傷するといわれています。しかし今年2月にアルゼンチンで降った雹は、直径18センチに達し、握りこぶし2個分もしくはメロン大の大きさで、南米の観測史上最大の可能性が出ています
下の写真がその雹なのですが、発見者によると撮影前の雹はこの写真よりもさらに大きかったそうです。
3. まるでスターウォーズ!? サハラ砂漠の降雪
2017年に公開された「スターウォーズ・最後のジェダイ」のワンシーンに、白い塩に覆われた赤い地層の上で戦闘をするシーンがありました。それを彷彿とさせるかのような景色が、今年1月アルジェリアのサハラ砂漠で広がりました。ただ白色の正体は雪で、赤色の砂上に40センチも積もりました。
Daily Mailによると、この場所で雪が降ったのは1979年2月が最初で、その後およそ40年のブランクをあけて、2016年12月、2017年1月と今回の4回のみのようです。珍しいにもかかわらず、近年は雪が毎年のように報告されています。
4. いきなり滝出現!? 異例のサイクロン、イエメンにを直撃
アラビア海に浮かぶイエメン・ソコトラ島は奇観で知られ、ユネスコ世界遺産にも登録されています。年間降水量はたった250ミリで、これは東京の5分の1です。
この島に5月この地域における観測史上最強のサイクロン・メクヌが接近し、年間降水量に匹敵するような大雨が降りました。その結果、大量の水が崖から勢いよく流れ落ち、下のような恐ろしい映像が撮られたのです。
5. 干ばつでタイムスリップ!? 熱波のイギリス
普段は夏でも涼しいイギリスですが、今年は42年ぶりの熱波が襲ったほか、統計開始以来最も深刻な水不足が発生しました。このため野菜価格が高騰したり、水の使用制限がかかるなど人々の生活を直撃しました。
しかし一方で、この熱波で微笑んだのが考古学者でした。干ばつのおかげで古代や中世の墓、建物、庭、要塞などの跡が、まるであぶり出されたかのように次々と姿を現し「考古学のゴールド・ラッシュ」が起きたのです。
考古学者らはこの絶好の機会を逃すまいと、自ら飛行機で視察に行ったり、ドローンを飛ばしたりして、たくさんの記録を収めようと大忙しだったとか。
2019年は新天皇即位、消費税増税、ラグビーW杯など様々な話題が目白押しの一年ですが、皆様にとっても充実した年となりますように。