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MLBプレイオフ地区シリーズの登録メンバーを外れた藤浪晋太郎。選手登録ルールって、どうなっているの?

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
地区シリーズ登録メンバーを外れた藤浪晋太郎(写真:三尾圭/USA Today)

Text & Photos by: KIYOSHI MIO/All-American Sports

 10月7日(日本時間10月8日)から始まったMLBプレイオフの地区シリーズ。

 ワイルドカード・ラウンドを勝ち進んできたテキサス・レンジャーズと対戦するボルティモア・オリオールズは、第一戦の試合開始3時間前に発表された地区シリーズ出場の26人登録選手の中に、注目の藤浪晋太郎の名前はなかった。

 メジャーリーグの公式戦(レギュラーシーズン)での登録選手枠も26人だが、シーズン終盤の9月の一ヶ月間だけは2人増えて、28選手を出場登録できる。

 だが、プレイオフの戦いでは出場登録選手枠は26人に戻される。

 公式戦では試合ごとに登録選手の入れ替えが可能だが、プレイオフでは試合ごとの入れ替えは不可。レンジャーズとの地区シリーズでは、故障者の代替選手として緊急登録される以外では、藤浪は登板できない。

 プレイオフではシリーズごとに出場登録選手リストを提出するので、オリオールズが地区シリーズでレンジャーズを倒して、リーグ優勝決定シリーズに勝ち進めば、藤浪に出場選手登録のチャンスが再び訪れる。

過去には伊良部が登録枠を勝ち取る

 過去に地区シリーズの出場登録枠を外れたが、リーグ優勝決定シリーズで登録枠を勝ち取った選手には、1999年にニューヨーク・ヤンキースでプレーした伊良部秀輝の例がある。

 7月には4勝0敗、防御率2.64の活躍で、アメリカン・リーグの月間最優秀投手に選ばれた伊良部だが、8月以降は調子を大きく崩して、地区シリーズでは登録枠を外されてしまった。

 それでも、リーグ優勝決定シリーズになると、出場登録メンバーに選ばれ、第3戦ではプレイオフ初登板を果たした。

 このプレイオフ初登板では、中継ぎとして4回2/3を投げて、13被安打、8失点と大炎上して、ワールドシリーズでは再び登録メンバーから外されている。

 それでも、ヤンキースがワールドシリーズを制覇したために、前年に続いて、自身2つ目となるワールドシリーズ優勝指輪を手にした。

ニューヨーク・ヤンキース時代の伊良部秀輝。1999年には地区シリーズの登録枠から外されたが、リーグ優勝決定シリーズでは出場登録され、プレイオフ初登板を果たした
ニューヨーク・ヤンキース時代の伊良部秀輝。1999年には地区シリーズの登録枠から外されたが、リーグ優勝決定シリーズでは出場登録され、プレイオフ初登板を果たした写真:ロイター/アフロ

中継ぎ投手では2021年の澤村も

 藤浪と同じ中継ぎ投手で、ロースター外からロースター登録されたのが、2021年にボストン・レッドソックスでプレーした澤村拓一。ワイルドカード、地区シリーズでは登録を外されたが、リーグ優勝決定シリーズで登録メンバーに抜擢されると、3試合に登板した。

藤浪の登録はあるのか?

 では、ここで藤浪が地区シリーズの登録を外された理由を探ってみたい。

 9月は最初の7試合で、7回1/3を投げて、無失点、2与四球、9奪三振、被打率.148と無双ぶりを発揮したが、9月18日からの4試合では2回1/3で、5失点、3与四球、1奪三振、防御率19.29と人が変わったかのような大乱調ぶりを見せてしまった。

 レギュラーシーズン最後の大不振が登録を外された一因であるのは間違いない。

 もう一つの要因は、地区シリーズは最大5試合の3戦先勝方式であること。試合数が少ないために、ブルペン投手の負担も軽く、投手の登録を減らして、野手登録を増やすチームも多い。事実、今回のオリオールズも投手12人、野手14人の登録で地区シリーズに臨んでいる。

 これが最大7試合、4戦先勝方式のリーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズになると、中継ぎ陣の層の厚さが重要になってきて、投手を増やすことが多い。

 リーグ優勝決定シリーズで藤浪が出場登録されるチャンスはありそうだが、そのためには地区シリーズでレンジャーズを倒すことが絶対条件となる。

プレイオフで躍動する藤浪の姿を見ることはできるのだろうか?(写真:KIYOSHI MIO/USA TODAY Sports)
プレイオフで躍動する藤浪の姿を見ることはできるのだろうか?(写真:KIYOSHI MIO/USA TODAY Sports)写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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