グーグル「Pixel 6a」よくある格安スマホと何が違う?
グーグルがスマホの新製品「Pixel 6a」を7月28日に発売します。特徴として、手頃な価格でありながらハイエンドと同じ自社開発のプロセッサーを搭載しています。スマホのコスパ競争においてグーグルの存在感が高まるかもしれません。
ハイエンド機と同じプロセッサーを搭載
グーグルはミッドレンジ価格帯の製品ラインとして、Pixel aシリーズを展開してきました。その最新モデルとなるのがPixel 6aです。
この価格帯のスマホは、プロセッサーなどの基本性能がハイエンドに比べて一段劣るのが一般的です。半導体不足の影響もあり、メーカーはスペック面で妥協せざるを得ない場面もあるとされています。
これに対してグーグルは独自の「Tensor」プロセッサーを開発し、ハイエンドの「Pixel 6」シリーズに搭載しました。今回のPixel 6aには、それと同じTensorが搭載されています。
アプリを利用したベンチマークテストでは、Pixel 6とほぼ同じ数字を叩き出しており、たしかに同じプロセッサーを搭載していることがうかがえます。
同様の手法として、アップルは手頃な価格帯の「iPhone SE」に、自社開発の最新プロセッサーを搭載しています。
プロセッサーを自社で作れば、他社から調達する必要がないので、安価な端末にも惜しみなく搭載できるというわけです。これは一般的な端末メーカーには真似できないアプローチといえるでしょう。
一回り小さく、重さも改善
Pixel 6とPixel 6aを横に並べて比べてみました。本体サイズが一回り小さいだけでなく、手に持ってみると大幅に軽くなったと感じます。
Pixel 6は207グラムと重量級のスマホでしたが、Pixel 6aは178グラムになり、この画面サイズのスマホとしては標準的な重さです。
Pixel 6では背面カメラのデザインが特徴的でした。帯のような形状は賛否両論がありましたが、Pixel 6aでは出っ張りがかなり控えめになっています。
背面パネルの素材も異なるとのことですが、表面の質感はほぼ同じで、じっくり触ってみても違いが分からないレベルでした。
基本性能としては、Pixel 6aのメモリーは6GB、ストレージは128GBで、いずれもPixel 6よりも少なくなっています。
メインの広角カメラは、Pixel 6aでは1220万画素(デュアルピクセル)ですが、デジタル処理による超解像ズームはPixel 6と同じ最大7倍に対応しています。
カメラアプリで簡単に選択できるのは「0.6倍」「1倍」「2倍」の3種類で、Pixel 6とほぼ同じ感覚で撮影できました。
Pixel 6との違いとして気になったのは、ワイヤレス充電に対応していないことです。Pixel aシリーズとしては共通の仕様ですが、他のスマホでワイヤレス充電に慣れている人にとっては、残念に思うポイントになりそうです。
ほかにも簡単に文字起こしができる「レコーダー」アプリなど、Pixel 6シリーズとほぼ同等の体験を実現しつつ、直販価格は税込5万3900円と、前モデルに近い水準におさまっています。
米国での価格が税抜で449ドルであることを考えれば、最近の為替レートと比べて1万5000円ほどおトクに感じます。このコスパの良さが、Pixel 6aの最大の強みかもしれません。
Pixel 6では「安定性」が話題に
ハイエンドのPixel 6シリーズでは、「安定性」に問題があるとの報告が目立っていました。一時期はWi-FiやBluetoothの通信が不安定になる現象が筆者の端末でも起きていました。
その後、ソフトウェアのアップデートで不具合の多くは解消されたようですが、グーグル純正スマホの安心感を求めていた人には、マイナスイメージとなったようです。
Pixel 6aの評価用端末を数日間使ってみた限りでは、いまのところ目立ったトラブルは起きていません。
FPSゲーム「Apex Legends Mobile」をプレイしてみると、本体はしっかり発熱するものの、快適に遊べています。ただし、ディスプレイ性能は最大60Hz表示にとどまっています。
今後も安定性に問題がなければ、という条件付きではありますが、Androidスマホのコスパ競争においてグーグルの存在感が高まるかもしれません。