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Chromebook「自宅需要」はある? ソフトバンクが個人向けに発売

山口健太ITジャーナリスト
Chromebookを個人向けに発売(ソフトバンク提供資料より、筆者撮影)

ソフトバンクがLTE(4G)通信に対応したChromebook(クロームブック)を個人向けに発売します。学校のパソコンを持ち帰るのはなかなか難しいのが実情のようですが、「自宅需要」はあるでしょうか。

学校のChromebook「持ち帰れない」

小中学校では1人1台の端末普及を掲げた「GIGAスクール構想」が進んでいます。機種は、MM総研の調査では「Chromebook」が43.8%と最も多く、WindowsやiPadもそれぞれ人気で、採用されています。

Chromebookはグーグルの「Chrome OS」で動くノートパソコンで、Webブラウザーによるインターネット利用を中心に機能を絞り込んでいます。Windowsパソコンよりできることは少ないものの、シンプルで安全といった特徴があります。

教育現場における課題の1つが端末の持ち帰り学習です。文部科学省の調査では、臨時休業などの「非常時」の持ち帰りは準備が進んでいるものの、平常時には約7割が持ち帰れない状況にあるといいます。

日常的に端末を持ち帰るには、管理などの面でさまざまな課題があるようです。一方で、自宅で学習に使いたいというニーズがあることから、家電量販店などでは個人向けにChromebookが売られています。

その多くはWi-Fi対応モデルでしたが、ここにソフトバンクが投入するのがLTE対応のChromebookです。ソフトバンクと契約することで、Wi-Fiがない場所でもスマホのようにデータ通信ができるのが特徴です。

機種はレノボ製の「Lenovo 300e Chromebook Gen3」で、11.6型のタッチ操作できる画面を備えています。画面を360度回転させることでタブレットのようにも使えます。

画面を回転させてタブレットのようにも使える(ソフトバンクのWebサイトより)
画面を回転させてタブレットのようにも使える(ソフトバンクのWebサイトより)

教育向けの端末に期待されるのが、子どもの手荒な扱いを想定した耐久性です。レノボによれば、このモデルは衝撃に強いヒンジを備えているために壊れにくく、75cmからの落下テストも実施しているとのことです。

販売面での特徴として、ソフトバンクの直営店でグーグルの「Pixel」シリーズのスマートフォンを販売してきたノウハウを活かし、専門のスタッフがChromebookの使い方を案内してくれるそうです。

料金プランはソフトバンクのデータ通信プランから選択できます。スマホとギガを共有できるデータシェアは月額1078円、データ通信専用の3GBプランは5年間の割引適用時に月額990円、50GBプランが月額5280円です(いずれも税込)。

貴重なLTEモデルだが、ランニングコストはどう?

Lenovo 300e Chromebook Gen3は、国内の通信事業者としてはソフトバンクによる独占販売で、本体価格は税込5万7600円です。LTE対応のChromebookは国内でも少なく、貴重な選択肢が登場したといえるでしょう。

ただ、Wi-Fiのみ対応のChromebookなら2〜3万円で購入できるモデルもあります。Wi-FiなしでインターネットにつながるLTE対応にどれくらいの価値を感じるかで、判断が分かれそうです。

ランニングコストを下げる工夫として、ソフトバンクのスマホとセットなら毎月990円の48回払いで購入できる特典があります。分割の金利は0%で、本体価格は4万7520円と割安になります。月額990円の3GBプランとあわせて、毎月2000円程度の負担でLTE対応Chromebookを持てる計算になります。

ソフトバンクのデータ3GBプランには、1時間110円、3時間220円などの追加料金で無制限にできるオプションがあり、急なリモート会議が入った場合などに便利な機能です。子どものためだけでなく、家族で共有する1台として検討してみると意外な使いどころがあるかもしれません。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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