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マリナーズで10年以上プレーして「ポストシーズン出場なし」はシーガーが何人目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・シーガー(左)とフェリックス・ヘルナンデス Jun 23, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 先日、引退を表明したカイル・シーガーは、シアトル・マリナーズ一筋に過ごしてきた。2009年のドラフトで、3巡目・全体82位に指名されて入団。2011年7月にメジャーデビューし、そこから11シーズンにわたってプレーした。

 マリナーズで10年以上プレーした選手を探したところ、イチローやシーガーら、12人が見つかった。この年数は、メジャーリーグの試合に出場したシーズンだ。

筆者作成
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 彼らのうち、最初と直近のそれぞれ2人、ハロルド・レイノルズデーブ・バリーフェリックス・ヘルナンデスとシーガーは、ポストシーズンに一度も出場していない。

 マリナーズは、今年が45年目だった。これまでのポストシーズン進出は4度。単純に計算しても、11.25年に1度の割合となる。しかも、その時期は集中している。1995~2001年の7年間に4度だ。この前後、1977~93年と2002年以降は、ポストシーズンにたどり着くことができていない(1994年のポストシーズンは開催されなかった)。それぞれのブランクは、17年間と20年間に及び、後者は現在も継続している。

 レイノルズとバリーがマリナーズでプレーした時期は、最初のブランクと重なる。フェリックスとシーガーは、現在のブランクだ。

 シーガーと違い、フェリックスは引退を表明しておらず、2020年はアトランタ・ブレーブス、2021年はボルティモア・オリオールズとマイナーリーグ契約を交わした。ただ、ここ2シーズンとも、出場はない。2020年はスプリング・トレーニングで好投し、そのままいけばローテーションに加わっていただろうが、新型コロナウイルスのパンデミックにより、開幕は延期され、フェリックスは全休を選択した。2021年はスプリング・トレーニングで結果を残せず、開幕直前に自ら契約をオプト・アウトした(打ち切った)。その後は、どの球団にも在籍していない。来年4月に、フェリックスは36歳となる。

 一方、エドガー・マルティネスジェイ・ビューナーダン・ウィルソンの3人は、マリナーズが進出した4度のポストシーズンの、いずれにも出場している。マリナーズでポストシーズン出場4度は、彼らしかいない。

 ちなみに、2002年以降にマリナーズでプレーした選手のなかで、その期間がフェリックスとシーガーに次いで長いのは、ユーティリティのウィリー・ブルークイストだ。メジャーリーグでプレーした14年(2002~15年)のうち、2002~08年と2014~15年の計9年がマリナーズだった。こちらは、アリゾナ・ダイヤモンドバックス時代の2011年にポストシーズンを経験。ディビジョン・シリーズの5試合に出場した。

 また、メジャーリーグで9年(2004~12年)プレーしたホセ・ロペスは、2010年までマリナーズにいて、最後の2年もポストシーズンには出場していないが、日本プロ野球でプレーした8年(2013~20年)のうち、2013~14年は読売ジャイアンツ、2016~17年と2019年は横浜DeNAベイスターズの選手として、ポストシーズンに出場した。2012~17年にマリナーズで投げた岩隈久志も、その前に、大阪近鉄バファローズと東北楽天ゴールデンイーグルスでポストシーズンを経験している。

 シーガーの引退については、こちらで書いた。

「今年は自己最多の「35本塁打&101打点」ながら34歳で引退。弟は10年3億2500万ドルの新契約」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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