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歴史と名湯に浸る!「昭和レトロな浴室のある温泉」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

昭和レトロがブームである。最近はレトロな雰囲気が売りのテーマパークも各地に出現しているが、本物の昭和レトロを堪能するなら温泉地ほどふさわしい場所はない。長い歴史をもつ温泉地ほど、情緒ある木造旅館や古刹などが残っているものだ。そんなレトロな雰囲気の温泉街を散策したり、趣のある浴室で湯浴みを楽しむのも温泉旅の魅力である。

そこで今回は一度は訪れたい「昭和レトロな浴室のある温泉施設」を5カ所紹介したい。

法師温泉・長寿館(群馬県)

みなかみ町の山間部にある秘湯の一軒宿。明治28年築の大浴場「法師乃湯」は国の登録有形文化財で、昭和を通り越して明治時代の面影を残す。鹿鳴館風の浴室は温泉ファン憧れの空間だ。4つに仕切られた湯船はいずれも湯船の底からぷくぷくと源泉が湧く足元湧出泉。泉質は最高。適温で新鮮な湯が絶えずかけ流しにされている。目隠しなどがない混浴なので入浴のハードルは高いが、女性専用時間がある。

長寿館

〒379-1401 群馬県利根郡みなかみ町永井650

TEL:0278-66-0005

上諏訪温泉・片倉館(長野県)

諏訪湖畔の温泉街には湖を望む大型旅館が並ぶが、その一角に天にそびえる尖塔やタイル張りの外壁が特徴の建造物が立つ。片倉館は昭和初期に、この地で製糸業を営む片倉財閥が従業員の福利厚生の一環として建設した温泉浴場だ。現在も日帰り入浴が可能で、大浴場の「千人風呂」は大理石造りの大きな湯船で、深さ1.1メートルと深いのが特徴。浴室内はステンドグラスや彫像で装飾され、昭和レトロな空間が広がっている。

片倉館

〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り4-1-9

TEL:0266-52-0604

瀬見温泉・喜至楼(山形県)

新庄市の奥座敷として賑わってきた山あいの温泉地。老舗旅館「喜至楼」の創業は江戸安政年間。本館は明治元年、別館の一部は大正年間の建築と、館内全体にレトロなムードが漂う。ところどころ古くて不便なところがあるが、逆にレトロで趣深いから大して気にならない。浴場は複数あるが、シンボル的存在といえるのがローマ式千人風呂。完成当時は贅をつくした名物風呂であったことが想像できる。時代を経ても味わい深い。

喜至楼
〒999-6211 山形県最上郡最上町大字大堀988

別府温泉・竹瓦温泉(大分県)

「日本一の共同浴場天国」である別府温泉の象徴的存在ともいえるのが竹瓦温泉だ。1938年に完成した風格漂う木造の建物は国の重要文化財で、まるで映画のセットのよう。階段を下りた先にある湯船には、緑色に濁った濃厚な湯がかけ流しにされている。館内では貴重な「砂湯」も楽しめる。

竹瓦温泉

〒874-0944 別府市元町16番23号

TEL:0977-23-1585

四万温泉・積善館(群馬県)

『千と千尋の神隠し』のモデルとなったとされる老舗旅館「積善館」の本館は江戸時代の建築で、県の重要文化財。周辺の湯の街情緒も見どころがあるが、昭和5年に建てられた「元禄の湯」は大正ロマンを感じられる浴舎が自慢。5つに分かれた小さな湯船にピュアな透明湯が掛け流しにされている。昔ながらの木造湯宿建築の本館は現在も宿泊棟として現役で、貴重な湯治体験ができる。

積善館

〒377-0601 群馬県吾妻郡中之条町四万温泉  

TEL:0279-64-2101

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温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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