立てこもり事件の犯罪心理学:さいたまネットカフェ立てこもり事件から
■さいたまで人質立てこもり事件発生
6/18、20:00現在、進展は見られていません。
補足:6/18、22:45、男は確保され、人質になっていた女性が無事保護されたとの報道がありました。
■人質立てこもり事件の分類
人質立てこもり事件には、いくつかのパターンがあります。銀行強盗などが逃げる前に警察に取り囲まれる場合。薬物中毒などで、冷静な判断力を失っている場合。何かの要求があって、立てこもる場合などです。
日本の人質立てこもり事件を、「犯罪失敗型」「情緒型」「計画型」に分類する研究もあります。
■犯人の心理と人質救出の方法
警察が優先するのは、人質の救出です。そのためには、犯人を落ち着かせ、自暴自棄になるのを防ぐことが必要です。特に事件発生直後は、犯人は極度の緊張、興奮状態にあることが多く、そのような犯人に対しては、威圧的な態度は禁物です。
犯人が極度の緊張、興奮状態にある時には、警察も犯人の行動が予測できません。何をするかわからない状態です。この状態は危険です。この状態で犯人を刺激するようなことは、危険性をさらに高めます。
興奮した犯人が、たとえば持っている銃を発砲したり、人質や警察官を傷つけるようなことをしてしまうと、犯人の興奮や緊張はさらに高まってしまいます。自分が大ごとを起こしてしまったと強く感じて、さらに自己破滅的な行動に出ることもあります。
犯人に対して強い態度で出るよりもむしろ、犯人の話を聞く態度で、落ち着かせなければなりません。犯人が冷静に要求を出している場合も、人質を守るためには、犯人との相互信頼関係を作ることが大切です。
多くの人質も、勇気と忍耐を持って、人質を興奮させないように頑張るでしょう。
時間が経つと犯人は次第に落ち着き、一般には人質と犯人との関係も安定し、こうなれば説得や交渉もできるようになります。警察、犯人、人質の望ましい関係性が事件解決のかぎとなります(人質立てこもり事件の犯罪心理学:解決のための最重要ポイント:Yahoo!ニュース個人有料)。
犯人が冷静になり、合理的な考え方を始めれば、いつまで立てこもっていても良いことはないと考えれられます。犯人をこのような心理状態にさせて、自ら人質を開放し、投降してくれれば、事件は無事開放です。
ただし、このようになるまで、何十時間でも、何日でも時間を使って良いわけではありません。人質の体力精神力も限りがあります。犯人も同様に疲労がたまることで、自暴自棄の思いを強めてしまうこともあります。
また、人質を解放しようと犯人が決心しても、いざ人質を解放する最後の段階で、自分が逮捕されることが怖くなり興奮する犯人もいます。最後まで気を抜くことはできません。
犯人の生活が破綻しているような場合、また自殺をほのめかすことを語っている場合は、特に注意しなければなりません。
犯人が、これ以上自分の罪を重くしてはいけない、人生はまだやり直せると思い、合理的な行動が取れるようにすることが、人質救出へつながる道になります。
この事件も、無事解決することを願っています。
補足:男は確保され、女性は無事保護されました。6/18、22:45