高血圧の治療薬は?副作用はあるの?【高血圧のいろはを理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
高血圧治療の基本的な考え方
いま、あなたの血圧は高いですか?
高すぎる・低すぎるという極端な状況でない限り、血圧がいくつなのか答えることは難しいと思います。
「サイレントキラー」という別名がつくくらい、高血圧は自覚症状が少ない病気のひとつですが、高血圧はひっそりとあなたに忍び寄り、深刻な病気を引き起こす可能性があります。
高血圧と言われたら・・・
偶然見つかることの多い高血圧の治療方法には以下のものがあります。
- 薬物療法
- 生活習慣の改善
- 自然療法と補完療法
- 治療継続とモニタリング
本記事では薬物療法について解説していきます。
高血圧に効果のある治療薬
カルシウム拮抗薬
末梢血管や冠動脈(心臓を取り囲む血管)を拡張し、血流をスムーズにすることで血圧を下げる役割があります。
薬剤によっては、高血圧だけでなく狭心症治療に用いられるものもあります。
ACE阻害薬
血圧上昇効果のある物質(アンジオテンシンⅡ)の生成を抑え、血圧を下げる役割があります。
心臓や腎臓などを保護する効果も期待でき、薬剤によっては心不全や糖尿病性腎症に用いられるものもあります。
利尿薬
身体の中の余分な水分や塩分を尿として排出し、身体全体の血液量を減らすことで血圧を下げる役割があります。
薬剤によっては高血圧だけでなく、心不全に用いられるものもあります。
β遮断薬
交感神経のβ1受容体は心臓の機能に関与しており、β1受容体を遮断することで心臓の働きすぎを抑えることができます。
心臓の働きとは、全身に血液を送り出すことですが、送り出す量を減らすことで血管内の血液量を減らすことができ、血圧や心拍数を低下させる作用があります。
治療薬は患者さんの健康状態を考慮しながら医師が処方します。お薬の内容や飲み合わせなど、不安な点は医師や薬剤師へご相談くださいね。
治療薬には副作用や注意点も
- めまい・ふらつき・眠気などの精神神経系症状があらわれるもの
- 吐き気・食欲不振・下痢などの消化器症状があらわれるもの
- 咳・咽頭部の不快感・呼吸困難・喘鳴(ぜんめい)などの呼吸器症状があらわれるもの
など、個人差はありますが、副作用が出ることがあります。
体質に合っていない場合は他のお薬への変更を検討できることもあるため、心配な場合は医療機関へ相談してみましょう。
まとめ
高血圧の治療薬について解説してきました。お薬には副作用がつきものではありますが、食事や運動などとうまく組み合わせながら、上手に活用していきましょう。