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ロペスと戦った中谷正義が語るライト級統一戦「ロマチェンコが有利 勝機は前半しかない」

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
lomachenko lopez(写真:ロイター/アフロ)

10月17日ラスベガスでライト級4団体統一戦が行われ、3冠王者(WBC、WBA、WBO)のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と、IBF王者テオフィモ・ロペス(アメリカ)が対戦する。

両者ともに、前日計量をクリアして明日の決戦に向けて準備は整った。

日本人で唯一ロペスと対戦した元OPBF東洋太平洋ライト級王者中谷正義(31)に、当時の試合を振り返り、ロペスの強さを語ってもらった。

ロペスの強み

ーーー昨年7月IBFライト級挑戦者決定戦でロペスと戦ってみてどうでしたか。

中谷:ロペスは雑なタイプでパンチを当てやすいだろうと予想していたのですが、思ったよりディフェンスがうまくて、自分のペースを掴めませんでした。

ーーーディフェンスというのは具体的に。

中谷:距離感が絶妙でしたね。構えるポイントが遠く感じました。外国人特有のパンチを肩でうけるディフェンス技術とか、受けてからのアッパーの返し、右の返しとか。パンチもそこそこありました。

今まで戦った中で断トツでうまい選手でしたね。

ーーー拮抗した試合で判定はドローだったという話もありましたが、中谷さんは試合後どう感じていましたか。

中谷:心の中で「負けているな」と思っていました。パンチをもらっていなかったのですが、僕もそこまでパンチを当てていなかったので。

ーーーもし、もう一度戦うとしたら。

中谷:初めての海外試合だったので戦い辛さもありました。もう一度戦えればチャンスはあると思います。

海外と日本の差

ーーー初の海外試合だと困惑することも多いでしょう。アメリカと日本の違いはどういうところにありましたか。

中谷:まずレフェリーの基準が違いました。

日本ではクリンチになるとごちゃごちゃするんですが、海外だとすぐ解かれてしまう。

密着してダメージを与えていく作戦だったので、なかなか思い通りに行きませんでした。

ーーー減量や調整で苦労したことはありますか。

中谷:調整のための練習場がありませんでしたね。

あと、計量日の早朝に眼科の検診ができていなかったということで、急遽病院に連れて行かれました。

試合に影響はありませんでしたが、今までと勝手が違いだいぶ困惑しましたね。

中量級でも戦える

ーーー日本人は中量級に壁を感じている人も多いと思いますが、実際に海外で戦ってみてどう感じましたか。

中谷:海外の選手は強いという先入観があると、戦う前から負けてしまいます。

とはいえ、僕も初の海外試合で不安もありました。

そんな時に、大学の先輩石田順裕さん(元WBA世界スーパーウェルター級暫定王者)が「日本と海外の選手に差はない」と助言してくれたのが心強かったですね。

ロペスVSロマチェンコ

ーーー中谷さんに勝利したロペスは次戦でタイトルを獲得。そして今回の4団体統一戦でロマチェンコと戦うことになりましたが、この試合についてどう予想されますか。

中谷:僕に勝ったロペスに勝ってほしいという気持ちもありますが、ロマチェンコが有利だと思います。

もし、ロペスが勝つとしたら前半KOにしか勝機はないでしょう。長くなればなるほど、ロマチェンコにくずされてKOされる可能性が高まります。

ーーー中谷さんがロマチェンコと戦うとしたら、どんな作戦でいきますか。

中谷:身長は僕のほうが高いので自分の得意な距離で戦い、間合いに入ってきたときにカウンターを合わせていきます。

ロマチェンコは接近戦も強いので、チャンスを与えないような戦い方をしないと簡単にKOされそうですね。

ーーーこの試合は、どんな思いで見ますか。

中谷:戦った相手が4団体統一をかけた大舞台で戦う、少し複雑な気持ちもありますがとても楽しみにしています。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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