子どもが「言うことを聞かない」ときに見直したい親の習慣
幼児教育講師のTERUです。
日々の子育て本当にお疲れ様です!
今日は『言うことを聞かない子』というテーマでお話しします。
そもそも子どもが言うことを聞けるようになるには何をすれば良い?
それは「子どもの意識を変える!」とかそういうことではなく 『言うことを聞く練習を日々していく』ことです。
そしてそれは特別な訓練ではなく、日常の中で親から受けた指示を実行してみて「できた!褒められた!」という 経験を積み重ねること。これが言うことを聞けるようになるために大切なことです。
つまり言うことを聞くというの は、意識の問題というより『練習・経験』なんですよね。
実は、日々の中の指示と実行の経験が子どもにとっての『言うことを聞く練習になっているご家庭』と『全然練習になっていないご家庭』があります。
その差が、今回ご紹介する習慣。
これができているご家庭は、日々の指示と実行の経験が練習として積み上がっていきます。その結果少しずつ言うことを聞けるようになっていくんです。
【物事を1つずつ子どもに伝える習慣がある】
これが本当に大事。子どもの成長にとって効果がありすぎて、震えるくらいの習慣です。
皆さんは子どもに指示をする時、どのように伝えていますか?例えばこのように伝えていたりしませんか?
「今からお出かけするから、靴下を履いて、水筒をカバンに入れて、玄関で待っていてね!」
この伝え方、この後してほしい行動を端的に伝えている言葉に聞こえます。
ですが、お母さんが玄関に行くとお子さんがいません。「あれ?」と思って部屋を見てみると、玄関横の部屋で靴下を履いた状態で鞄を背負って積み木で遊んでいます。そこで一言
「玄関で待っててっていったでしょ!!」
よくある光景かと思います。
さぁ、私が何を言いたいかご理解いただけましたでしょうか?
この親御さんは 3 つの指示を出し、そして、この子は 2 つの指示を守れていた。ということです。守れなかったのは玄関にいなかったということだけですよね。
ですが、この親御さんから見ると「言うことを聞いていない子」に見えてしまい、子どもからすると「ちゃんとやったのに叱られた」という認識が生まれてしまっています。
これが、日々の指示と実行の経験が、練習として積み上がっていかないご家庭の特徴です。
今回の場合は「玄関にいる」こと以外はできていたので、その点は認めてあげるべきですよね。
ですが、咄嗟に目の前で玄関にいない子どもを見てしまうと反射的にその点を言葉にしてしまうお気持ちもよくわかります。
なので『物事を1つずつ子どもに伝える習慣』が大事なんです。
今のケースで言えば、
「今からお出かけをするから、まずは靴下を履いてね!」
という感じです。
「履けたらお母さんに教えてね!」
と伝えても良いですね。
そして、子どもが靴下を履けたら
「よくできたね!じゃあ今日は少し遠くに行くから水筒を鞄に入れてね!」
と次の指示をします。
そうやって、『1 つ指示 → できたら都度褒める → 次の指示』というように、1 つずつクリアしていくように指示をしていきます。
そうするとどんな良いことがあるかというと、1 つに絞ることで実行できる確率もグッと上がり やったら褒めてもらえるため成功体験が増えやすく、実行しよう!という前向きな心が育まれるんです。
さらに、自分に置き換えたらわかると思うのですが、今回のように3つ指示された内できていた2つは褒められたとしても、その後に3つ目ができていないことを指摘されたら、その前の2つも何だかできていないような気になってきませんでしょうか?
だから1つずつが大事なんです。
そして親目線で見ても、1つずつ指示を出すことで、親側がどんな指示をしたのかを忘れてしまうことや、褒めたり認めたりする言葉がけが抜けにくくもなります。 これが言うことをちゃんと聞ける子の親の1つ目の習慣です。
【具体的な実践方法】
ではここからこの習慣を具体的に実践していく3つのポイントについてご紹介していきます。
ここからの内容を知っている上で習慣にしていくことで、効果が2倍にも3倍にもなっていきますのでぜひ一緒に確認していきましょう!
1.具体的な指示を心がける
指示をした事が1つだったとしても、それが具体的でなければ実行確率はグッと下がってしまいます。 いくつか例をあげると
・お片付けしてほしいとき
「お片付けしてね!」 → 「床にあるおもちゃを全部おもちゃ箱に戻してね!」
・公共の場とかで静かにしていてほしいとき
「良い子にしていてね!」 → 「他の人もたくさんいるから、小さい声で話そうね!」
・道を歩いているとき
「気をつけて!」 → 「道路には車が走っているから、壁側を歩こうね!」
いずれも後の方が圧倒的に実行しやすいですよね。
このように1つの指示を心がけながら、具体性を上げていくと、成功体験が増えていきます。
2.できた時に毎回大げさに褒める必要はない
このように日々の指示を1つずつになるよう心がけていくと、自然に子どもを褒める機会が増えていくことと思います。
その際に、毎回「すごいね!えらい!」と大げさに褒めていたら疲れてしまいますよね。
なので、「お!おもちゃ全部しまえたね!」などと事実を認めるような声かけだけでもOKです。
子どもも毎回大げさに褒められてしまうと、褒められなかった時に物足りなくなってしまったりもするので、事実を認める声かけを意識してみてください。
3.年齢によって 1 回の指示の個数は増えていっても良い
お子さんが小学生以降など、自立してできることが増えてきた年齢になってまで毎回1個ずつの指示を続けているのはちょっと不自然ですよね。
ですから、お子さんが2つまとめて指示を出しても実行できる!と感じるのであれば、まとめて2つ指示を出すことがあっても大丈夫です。
あくまで成功体験を積むためには1つずつがおすすめですよ!と言っているわけなので、お子さんの年齢によってお子さんが実行できる個数、そして親もちゃんと認める声かけを忘れずにできる個数を考えていくと良いですね。
いかがでしたでしょうか?
今回『指示』という言葉を使いましたが、「子どもは大人の言うことを聞かなくてはいけない!」という価値観には賛成できません。
あくまで、日常の中でいつもしている指示を1つずつに分解しましょう!と言っているのであって、指示を増やしましょう!と言っているのではありませんので、日常生活の中での会話が指示ばかりにならないようには気をつけてくださいね。
とはいえ、現実言うことを聞いてくれないと困る場面は多々あるかと思いますので、今回のお話がそんなお悩みのヒントになれば嬉しいです。
皆さんの子育てを応援しています!
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