大地震、その時子どもたちを守れるのか!?避難訓練の様子から感じた保育士不足
2024年に入ってから能登半島の大きな地震や千葉県東方沖での小さな地震の連続。いつどこで大きな地震が起こってもおかしくはない状況だと感じます。
そこで今回は、保育現場での避難訓練の様子とそこから感じた保育士不足の現状をお伝えしたいと思います。
なお、避難訓練の内容は地域や園ごとに異なるので、参考までにご覧いただけたらと思います。
避難訓練の内容と様子
●「お・は・し・も」の約束の確認
避難の際の約束”押さない!走らない!喋らない!戻らない!”
赤ちゃんだと難しいですが、理解できる年齢になると「なぜそれをしてはいけないのか」という理由も含めて伝えます。
●防災頭巾の被り方
緊急時にいきなり被るのは難しいので年度初めの頃、実際に被る練習をします。年齢が低いと顔を出す場所を間違えてしまったりということが多く見られ、慣れないうちは一人ひとりサポートします。
●保育室内での避難(机の下or保育室の中央へ)
非常ベル・放送が鳴り、保育士の指示で机の下または保育室中央へ集まります。この時に、いつもとは違う様子、ベルの音に驚きパニックになり泣いてしまう子も。担任はそのような子も安心させながら全体を見て、避難を促します。
●外へ避難(防災頭巾着用)
最終的には防災頭巾を被って建物の外へ。
・3~5歳児→パニックにならない限り、指示だけで安全に逃げることが可能です。
・2歳児→保育士が数人の子どもの手を引きます。また、上履きを履かずに生活している場合、避難靴を履いてから避難する場合もあります。
・0・1歳児→散歩車に乗せたり抱っこ紐で2・3人を抱えるなどしてやっと避難します。自分で歩ける3歳以上児よりは多少時間がかかってしまいます。
最後に室内に子どもが残っていないかを確認し、人数確認を行い、主となる職員へ報告します。
災害時、この人数で子ども達を守れるのか?
現在の保育士の配置基準は
0歳児ー子ども3:保育士1
1・2歳児ー6:1
3歳児ー20:1
4・5歳児ー30:1
(改正後は3歳児ー15:1、4・5歳児ー25:1)
避難訓練の時は事前予告があったり実際には揺れていなかったりと、子ども達も冷静を保っていられる子がほとんどです。しかし、もし本当に地震が起こったとしたら、子ども達は大きな揺れ、物が落ちたり倒れたりする大きな音にパニックになってしまうかもしれません。
そのような中で、こんなにも少ない保育士だけで大勢の子ども達の大切な命を守ることができるのでしょうか?
散歩車に乗せたり抱っこ紐で抱える間も地震は待ってくれません。いざというときは、子どもを抱えて走って避難すると思いますが、まだ幼く何もできない子を一人で何人も抱えるのは無理があると感じました。
3歳以上児に関しても1人がパニックになってしまったら、伝染して泣いてしまったり、その場から動けなくなってしまう子もいる可能性も出てきます。たった1人で30人の大切な命、守り切れるのでしょうか。
終わりに
保育の質を維持するためでもありますが、子ども達の安全を考えるとやはりまだまだ保育士・幼稚園教諭は不足しています。
いざというときのために、保育士・幼稚園教諭不足の解消を促進していただけたらと思います。