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続編発表の実写版「ONE PIECE」広がり続ける盛り上がり、海外での反応は?

小新井涼アニメウォッチャー
(写真:アフロ)

配信開始から大きな反響を生んでいるNetflix実写ドラマ版「ONE PIECE」。

そんな本作が先週末、早くも続編の制作決定を発表し、更なる注目を集めています。

  • 原作者・尾田栄一郎氏による続編制作発表の動画

これだけのビッグタイトルですので、元々続編制作は決定事項であったことも十分には考えられますが、それにしても、配信から一ヶ月も経たないうちにこのような発表があることはかなり珍しい事態です。

こうした素早い告知の背景では、配信開始から日本国内だけでなく、世界中で広がり続ける本作への大きな反響も後押しとなってきたのではないでしょうか。

では実際に、配信開始から2週間が経った今、本作の世界的な盛り上がりや海外での反応にはどのようなものが生まれているのでしょうか。

日本国外での評価やレビューを中心に、概観してみます。

  • ※以下で紹介するレビューの中には、本作及び原作漫画やアニメのネタバレにあたる表記も含まれます

■世界での盛り上がり

盛り上がりの指標のひとつとして、たとえばNetflixのGlobal Top 10(最も視聴された作品の週間ランキング)では、配信2週目にあたる最新のランキングでも、初週に引き続き本作が該当するTV(英語)のカテゴリで、グローバル1位を獲得しています。

さらに驚きなのが、初週に引き続き93の国や地域でそれぞれTop10入りを果たしただけでなく、そのうち1位を獲得した国や地域の数が、初週の46から74へと大幅に増えていることです。

初週が配信開始から4日間(8月31日~9月3日)の集計結果であったこともありますが、2週目の視聴数や視聴時間も、共に前週を上回る高数値をたたき出しました。

加えて、アメリカ最大の映画レビューサイトとしても有名なRotten Tomatoesでも、連日投稿され続ける1万件以上のレビューの中、観客スコアは先週からわずか1%減の95%※という高数値を保ち続けています。

  • ※2023年9月18日現在

■海外での反応

では、世界的にもこれだけの反響を生んでいる本作への日本国外での反応・レビューにはどのようなものがあるのでしょうか。

英語表記のものに限りますが、探してみると既に数々の海外メディアにて、本作を高く評価するレビュー記事が掲載されているのも確認できました。

たとえば、インドに本社を構えるメディア・Beebomに掲載されたレビューは、本作を「アニメアダプテーションへの希望の光(原文タイトルOne Piece Live-Action Review: Beacon of Hope for Anime Adaptations!より)」とまで称し、シンガポールのメディア・CNAのウェブサイトに掲載されたレビューでも、本作を「欠点があったとしてもすばらしい漫画アダプテーション(原文タイトルWhat makes Netflix’s One Piece live-action series a great manga adaptation, even with its flawsより)」と高く評価しています。

興味深いのは、どちらのレビューでも、過去のアニメや漫画の実写化へのネガティブな印象から最初は本作にもファンは不安を抱いていたものの、(いくつかの不満点や課題はあれど)実際の作品がそれらを覆す見事なアダプテーションであったと熱く絶賛していることです。

同様に、先のRotten Tomatoesの観客レビューでも、今までのネガティブなイメージを覆すアニメのアダプテーションとしての優秀さを評価する声や、懐疑的であったが実際にみた作品は予想以上・期待以上の出来であったというような声が散見されました。

こうした海外での本作への反響は、日本国内における作品ファンのものとも大きく共通しています。

つまり前提として、人気漫画やアニメの日本国外での実写映像化は、日本のファンと同様、海外の作品ファンの間でも、これまでネガティブなイメージが抱かれがちであったこと。そんな中、本作はそうして実写化に懐疑的であった作品ファンをも驚かせ、絶賛させるほどのアダプテーションを果たし、漫画やアニメの実写映像化というジャンルに新たな可能性を見出せるほどのマイルストーンとして、人々の間に刻まれようとしているのです。

本作がこれだけ盛り上がる背景には、もちろん、そもそもの原作漫画やアニメが持つ世界的な人気の高さや魅力があることも間違いありません。

しかし、日本国内や海外での反響をみるに、本作の盛り上がりの要因は決してそれだけではなく、本作自身も、原作やアニメが持つ膨大なファンを含め、世界中の視聴者を満足させている結果でもあることが分かります。

こうした本作の成功は、果たして後続する漫画やアニメの実写映像化作品の制作にどのような影響をもたらすのか。今後の実写映像化ジャンル全体の動きも含め、これからの展開に益々注目が集まっていきそうです。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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