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夜になっても「Japan」が米ツイッターのトレンド入り PK敗戦の余韻続く…。W杯日本対クロアチア

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会の決勝トーナメント1回戦。5日、クロアチアと対戦した日本代表は1―1で延長戦となり、延長戦でも決着がつかず、PK戦で1―3で敗れた。

アメリカ東部時間(EST)で午前10時からスタートしたこの試合。結果が出たのが午後1時前だった。午後2時からのブラジル対韓国戦ではブラジルが4―1で圧勝。それぞれの試合後、この日戦った4つの国がアメリカのツイッターでトレンド入りしたが、陽が暮れても2つの国がトレンド入りをしたままだった。

その2つの国は、ブラジルと日本。

ブラジルの勝利後、アメリカのトレンド1位は「Brazil」となった。 (「Neymar」「Richarlison」と共に)

試合に負けた日本だったが、「Japan」も試合中からトレンド入り。試合終了後6時間が経っても、未だ堂々のベスト10入り。(「Croatia」と共に)。

同日夜6時過ぎの米ツイッター上でのトレンド。「Brazil」と「Japan」はNYマンハッタンのトレンド入りもしていた。(スクリーンショットは筆者が作成)
同日夜6時過ぎの米ツイッター上でのトレンド。「Brazil」と「Japan」はNYマンハッタンのトレンド入りもしていた。(スクリーンショットは筆者が作成)

同時刻で、上位30位内にクロアチア単体と、ブラジルに負けた韓国の名前は見られず。韓国の「Korea」は午後8時ごろになって21位に入っているのを確認できた。

筆者は日本とクロアチア戦の試合中もツイッターを確認したが、試合中は「LETS GO JAPAN」がトレンド入りしており、日本戦への注目度を実感した。

試合中の米ツイッター上でのトレンド。(スクリーンショットは筆者が作成)
試合中の米ツイッター上でのトレンド。(スクリーンショットは筆者が作成)

日本の敗北後、アメリカでは各界のさまざまな著名人やメディアがこの試合についてツイートした。

米女子サッカーのアビー・ワンバック元選手

女子サッカーのアビー・ワンバック元選手は、作家である伴侶のグレノン・ドイル氏が、PK戦で敗れた日本の試合に衝撃を受けている動画をツイッターにアップした。「あぁなんてこと。あなたに勧められ毎日試合をチェックしているけど、これは耐えられない。悲しすぎる…。PK戦はジュネーブ会議で禁止されるべき」とドイル氏。

日本がPK戦で敗れた。敏感な人間やスポーツファンには厳しい(結果、試練)です。

CNNやESPNなどで活動するフットボール・ジャーナリスト、Usher Komugisha氏

日本にとっては厳しい試合だったが、サムライブルーはカタールやそのほかの国の多くの人々の心を奪った。次回までまたね。

ESPN FC

日本代表の森保一監督が、チームを応援するためはるばるカタールまで駆けつけてくれたサポーターに感謝し頭を下げた。

尊敬! (ハートマーク)

ラーム・エマニュエル駐日米国大使

作家のKhaled Beydoun氏

日本(の試合結果)に心が折れた。

しかし、彼らは輝きを放った。

— ドイツとスペインに勝ち

— 死の組を首位通過し

— もう少しで18年W杯のファイナリストを破るところだった

カタールでの #ワールドカップ で成し遂げた日本に乾杯

ツイッター上ではほかにも、大会中に話題に上った日本人サポーターの清掃風景を惜しむつぶやきも見られた。

最後に、アトランティック誌のアダム・シューワー記者が試合後にアップした、このPK戦の分析が興味深かったので、ここで紹介する。

シューワー記者は、この試合が長引くにつれ、2018年のファイナリスト(クロアチア)が勝つことになるだろうと確信したという。それはクロアチアの方が優れているからといった理由ではなく「試合が確実にPK戦になるように見えたから」という。

「PK戦で点を入れるには試合そのものとは異なるスキルが必要であり、それは運動能力よりも精神面でのテスト(試されること)である」

シューワー記者は、優れた選手が必ずしもPK戦で優れた結果を出すとは限らないと述べ、「中年の引退した元サッカー選手の方が、20歳のフィールドで大活躍する現役選手よりPK戦でうまく蹴ることは可能」。

PK戦で得点できる選手とは「プレッシャーに負けない(跳ね除ける力がある)こと」。だからどんなに技術があり運動能力に長けた若手の選手より、年配の選手がPK戦では成功率が高くなることはあるという。

「集中力が何より試されるため、PK戦を成功させることは多くの場合、経験の問題である」

日本のゴールキーパー、権田修一選手はクロアチアのドミニク・リヴァコヴィッチ選手よりもペナルティキックのセーブ率が高いとされているが、PK戦では日本選手のボールを次々にリヴァコヴィッチ選手が止めた。「リヴァコヴィッチ選手がボールを止めることを予測していた、とは言わない。しかしクロアチアの選手の方が、より多くのチャンスを物にするだろうという確信があった。なぜなら彼らはこれまでの試合で何度か同じ経験をしてきたからだ」。

前回のW杯でも、死闘の末にPK戦で2勝してきた経験を持つクロアチアに軍配が上がったということのようだ。

「しかしながら、サムライブルーはここまでの試合を誇りに思うべきだ。ヨーロッパのトップクラブの選手が多く在籍する2つの元世界チャンピオンを打ち負かしたのだから」と同記事は結ばれた。

筆者も、世界における日本のプレゼンスを久しぶりに高めてくれた若き日本の侍たちに、労いを込めて心から感謝の意を伝えたい。感動をありがとう。そしてお疲れ様でした!

(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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