【NFL】NFC決勝戦プレビュー 第1シードの49ナーズと第2シードのパッカーズが激突
NFL Playoffs Preview: NFC Championship Game
Text&Photos by Kiyoshi Mio
1月19日(日本時間20日)にサンフランシスコのリーバイス・スタジアムでNFC決勝戦が行われる。対戦カードは第1シードのサンフランシスコ・49ナーズ(13勝3敗、NFC西地区優勝)対第2シードのグリーンベイ・パッカーズ(13勝3敗、NFC北地区優勝)。レギュラーシーズンの成績が同じながら49ナーズが第1シード権を獲得できたのは、レギュラーシーズン第12週目に両チームが対戦して、37対8でナイナーズが快勝したため。
ただし、この試合の後はパッカーズが負け知らずの5連勝でレギュラーシーズンを締めくくったのに対して、ナイナーズは3勝2敗と苦戦した。勢いがあるのはパッカーズだが、先週のディビジョナル戦を観る限り、戦力が上なのはナイナーズ。
パッカーズと言えば強肩QB(クオーターバック)アーロン・ロジャースのパス攻撃を主体としたチームのイメージが強いが、今季は試合平均パス獲得ヤードが233.3ヤード(リーグ17位)で、237.0ヤード(リーグ13位)のナイナーズよりも少ない。それでもロジャースの強肩は今季も健在で、40ヤード以上のパスはリーグで4番目に多い12回成功している。何よりも信じられないくらいミスが少なく、タッチダウン・パスは26本で、インターセプションはたったの4回。昨季はリーグ歴代最高となる0.3%のインターセプション率を記録したが、今季の0.7%も歴代6位タイにランクインする堅実なクオーターバッキングを披露した。
そのロジャースはレギュラーシーズンでのナイナーズ戦では今季自己最低となる104ヤードに抑えられ、今季自己最多タイの5サックを喰らった。ナイナーズのディフェンス陣は先週のバイキングス戦でも6サックを記録しており、今週末もロジャースを抑えられれば勝利を引き寄せられる。
新人DE(ディフェンシブエンド)ニック・ボサはバイキングス戦で2.0サック、3QBヒットと好調。バイキングス戦で1.0サックを記録したDEアリク・アームステッドはパッカーズ戦では2.0サック、4QBヒットと相性が良い。ボサを筆頭としたディフェンシブ・ラインが強いので、ブリッツを仕掛ける割合はリーグで10番目に少なく、セカンダリーはパス守備に専念できる。ロジャースからインターセプトを奪うのは難しいかもしれないが、ナイナーズの守備陣はリーグトップの試合平均169.2パッシングヤードしか許していないので、ロジャースも簡単にはパス攻撃を繰り出せない。
先週のシーホークス戦で160ヤード、2タッチダウンと活躍したWR(ワイドレシーバー)デヴォンテ・アダムスは、レギュラーシーズンでも997ヤードと1000ヤードに3ヤード足りなかったが、4試合も欠場してこの記録は立派。ロジャースのパス・ターゲットはアダムスに偏っているので、ナイナーズはCB(コーナーバック)リチャード・シャーマンをアダムスにマッチアップさせるだろう。
パッカーズ攻撃陣の鍵を握るのはサードダウンの攻防。アウェイゲームでのサードダウン成功率は33.0%で、これはリーグで下から8番目の数字。ナイナーズ守備陣はリーグ2タイ位のサードダウン成功率33.3%に相手を抑えている。レギュラーシーズンの直接対決では、パッカーズは15回中1度(成功率6.7%)しかサードダウンを更新できなかった。
ナイナーズのQB、ジミー・ガロポロは数字こそ大したことないが、チームを勝利に導ける「勝ち方を知っているQB」。ペイトリオッツで3年間、トム・ブレイディの控えとして、歴代最高のQBからチームの勝たせ方を学んだ。キャリア通算の成績は22勝5敗、勝率81.5%で、25試合以上に先発したQBとしてはNFL歴代1位。
ナイナーズのオフェンスはランを主体としながら、絶妙な配分でガロポロのパスを織り交ぜてくる。試合平均114.1ラッシングヤードはリーグ2位で、125ヤード以上ラッシュした試合では8勝1敗。先週のバイキングス戦でも186ラッシングヤードを上げて快勝した。バイキングス戦では38分27秒も攻撃権を保持したナイナーズは、レギュラーシーズン中も32分以上攻撃権を持った試合は7戦全勝(延長戦を除く)。今週もゆっくりと時間をかけながら攻撃をして、パッカーズの攻撃機会を減らしたい。
パッカーズのラン・ディフェンスはリーグ26位の平均4.7ヤードを許しているので、ナイナーズにとって戦いやすい相手である。
★NFCチャンピオンシップ★
サンフランシスコ・49ナーズ対グリーンベイ・パッカーズ
1月20日(月)
午前8:30から NHK BS1にて生中継
午前8:40から 日テレG+にて生中継