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おやつにぴったりなサイズ感「茅場町 伊勢屋」さんの豆大福は1個110円、素朴なあんこのファン多し

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

なぜだか不思議と吸い寄せられてしまう、そんな魅力を放つ存在って意外と身近に多く潜んでいると思うのです。

例えば商業施設で店頭のラックに陳列されている洋服たち、普段は手に取らないもののこれ見よがしに平置きされている新刊…実際に購入するわけではなくとも、引力に従ってしまったという結果に。

松の葉が散りばめられた掛け紙
松の葉が散りばめられた掛け紙

開店直後の和菓子屋さん、というのも実は私にとって非常に抗いがたい存在。なぜかと申しますと、たまたまお店の前を通り外からショーケースを覗いた瞬間、ふんわりと搗きたてのお餅の匂いが漂ってくることがしばしば。パン屋さんの匂いにつられる現象と似ているかもしれません。

今回は中小企業のオフィスが建ち並ぶ茅場町のアットホームなエリアに佇む和菓子屋「茅場町 伊勢屋」さんの「豆大福」をご紹介。

豆大福
豆大福

一般的な豆大福に比べると、非常に小柄な佇まい。けれども華奢というわけではなく、ふんわりとした柔らかさは見ただけで伝わってきます。大福は元々「鶉餅」とよばれ、その起源は室町時代。ふっくらとしたお腹が鶉のお腹のようだ、とのことですが、なんとなく納得です。(当時は小豆と塩のみの餡子を包んでいました)

ふんわり、そんな言葉が似合います
ふんわり、そんな言葉が似合います

大福が小柄な分、えんどう豆が大きく見えます
大福が小柄な分、えんどう豆が大きく見えます

手粉を払って口元へ近づけると、思いのほか濃厚のは糯米の芳香がするりと流れ流れ込みます。そのままやや大きめの一口で齧りつけば、ぽりぽりと歯ごたえの良いえんどう豆と小豆そのものの味わいを強かに残した素朴な粒餡に思わず肩から力がストンと抜けて。茅場町という都心の賑わいに近接したロケーションながら、どこか田舎のお店や道の駅などで購入するような「昔ながらの」と形容したくなる懐かしい味わいが好きという方にはグッとくるものがあるはず。

素朴なあんこは癒しの味
素朴なあんこは癒しの味

そのため、旨味がじんわりと余韻として留まりお砂糖の甘味はスッと引いていくあっさりとした後味です。

なんとこのご時世、この場所でおひとつ110円(税込)という価格。ちょっとしたおやつに、集会にいくつかまとめて購入なさる方も多いのだとか。

商品が出そろうのは10時前後ですので、あれこれ購入してみたいという方は開店直後から一呼吸おいて足を運んでみてくださいね。

<茅場町 伊勢屋>
東京都中央区日本橋茅場町3-3-5
03-3666-6013
9時~18時
定休日 土日祝日

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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