台風10号はさらに西へ進み、転向が遅い予想に、しかも太平洋側を進む可能性まである予報円に
さらに西回りで進みが遅く
台風10号は、太平洋高気圧に押されるようにさらに西寄りに進んで転向点が遅くなり、そのため、日本海に南下してきた偏西風帯にも乗り切れずに、一段と西回りで、進みの遅い予報円となってきています。(関連記事)
強い台風10号は、きょう26日(月)午前3時現在、日本の南にあって、西北西に時速25キロで進んでいます。最新の予報円によると、強い台風10号はあさって28日(水)午前3時には、中心気圧950hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルの非常に強い勢力となって、九州の南海上に達する予想です。
その後は、ようやく北から北東方向へ転向し、予報円の真ん中を進むと、29日(木)午前3時には、強い勢力を維持して九州南部の鹿児島付近に到達し、30日(金)から31日(土)にかけて、西日本から北陸、そして東北地方を自転車並みの速度で進む予想です。予報円が更新されるたびに、転向点が西寄りに変わってきていて、しかも日本海に南下してきた偏西風に乗るタイミングも逸してしまうような予想となってきているため、予報円の大きさが再び大きくなってきている状態です。
現在に至ってもなお、台風10号が北西から北東方向へ転向するタイミングやその後の速度の計算がかなりばらついていますので、今後も、接近、上陸、通過のタイミングや地域が大きく変わる可能性があります。必ず最新の予報円をチェックするようにしてください。
1日で大きく変わる予報円
上図はきのう25日(日)午前3時に発表された予報円(左図)と、きょう26日(月)午前3時に発表された最新の予報円(右図)との比較を示したもので、分かりやすいように、28日(水)午前3時の予報円をピンク色で、29日(木)午前3時の予報円をオレンジ色で着色しています。
きのう発表された予報円では、28日(水)午前3時の時点で、すでに四国に接近していて、その後29日(木)午前3時には日本海へ抜け、加速して北上している予想でした。ところが最新の予報円では、28日(水)午前3時の時点でもまだ転向する前で九州の南海上にあり、その後ようやく転向するものの、速度が上がらずに、29日(木)午前3時の時点でも、九州南部付近にある予想です。
台風の中心が予報円に入る確率は70%ですから、逆に予報円に入らない確率も30%ということになり、予報円の外側に進むことも多々あるのですが、わずか1日でここまでブレてしまうのは、かなり珍しいかもしれません。今回の台風10号の進路予想は、太平洋高気圧と偏西風との兼ね合いにより、もともと難しい部類となっていましたが、この先もまず転向点がしっかりと予想されなければ、予報円がまだ大きく変わる可能性も考えられます。
太平洋側を進むモデルも
参考までに上図はアメリカのGFSモデルの計算です。台風10号は、九州南部に到達後、日本海へ抜けることなく、太平洋側を東進する予想となっています。しかも速度がさらに遅く、関東を抜けるのが週末にずれ込むような予想となっています。気象庁の最新の予報円でも、南側を進めば、このような可能性も考えられる予報円となっています。今後も最新の台風情報を入手して下さい。