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猛暑懸念も、甲子園は並みの暑さでの熱戦

饒村曜気象予報士
甲子園のスコアボード(ペイレスイメージズ/アフロ)

夏の高校野球

 第100回全国高等学校野球大会は、平成30年(2018年)8月5日から兵庫県西宮市の甲子園球場で開催され、21日の決勝戦で大阪桐蔭高校が優勝して幕を閉じました。

 埼玉県熊谷市で41.1度という日本の最高気温を観測するなど、大会前の全国的な記録的な暑さから、大会期間中の最高気温の平均34.2度(1994年)、同34.3度(1995年)、試合中の最高気温38.8度(1994年8月8日)を上回る、記録的な猛暑の大会となるかもしれないということで、選手や応援団の健康が懸念されました。

 そして、大会2日目の8月6日、初めて給水タイムが設けられました。

最高気温の平均は

 2018年の大会期間中の平均気温は30.7度でしたが、これは、ほぼ平年並みの温度です(図)。

図 甲子園大会期間中の最高気温
図 甲子園大会期間中の最高気温

 暑い夏でしたが、記録的な暑さの夏ではありませんでした。大会期間中に35度以上の猛暑日となったのは、8月6日の35.3度と、14日の35.8度の2日しかなく、30度に達しなかった日も3日ありました。

 そして、給水タイムなど暑さ対策がとられたこともあるでしょうが、暑さによる事故もなく大会は終了しました。

甲子園 試合中 選手一斉 給水タイム実施 第3試合

 ◇全国高校野球選手権記念大会

 6日の第3試合、沖学園高(南福岡)-北照高(南北海道)戦で、熱中症対策として試合中に選手が水分を摂取する一幕があった。

 九回、守備についた北照高の左翼手が両ふくらはぎのけいれんを起こし、治療のために担架でベンチに運ばれた際、大会本部の指示で、グラウンドにいた両校の選手が一度、ベンチに戻って水分を取った。大会本部は「大会前に、試合中に給水のための時間を取れると決めた対策に基づいて判断した」と説明した。

出典:読売新聞(2018年8月7日朝刊)

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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