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Amazonの人工知能は加速度的に賢くなっている - Alexaのスキルが15000に到達

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
スマートスピーカーのAmazon Echo(左)とGoogle Home(右)。

人工知能(AI)は、これからのテクノロジー業界における進化の手法として、重要な要素となっていきます。大手企業から新興企業まで、AIの開発やこれらを用いた製品化に関して、その勢いを増すばかりです。

CBInsightの2017年3月末の記事では、主要なテクノロジー企業がAI関連企業をこぞって買収している様子をまとめています。2012年第1四半期は1件だった企業買収は、2017年には34件にまで拡大しています。

買収競争で目立つのは、Google、Apple、Facebook、そしてIntel。しかし、人工知能の製品で最も注目されているAmazonは、これらの企業と比較すると、さほど企業買収に頼らず、人工知能アシスタントAlexaを搭載するスマートスピーカー、Amazon Echoとそのエコシステムを成長させています。

Amazon Alexaには「Skill」と呼ばれるアプリが利用でき、AlexaはこのSkillによって、できることが増え、また賢さを増していく、という仕組みです。Skillの数は順調に増え続け、2017年1月の段階では7000と言われていました。そこから半年たってみると、Skillの数は15000にも増えていたのです。

Business Insiderによると、Alexaで利用できるSkillの数の増加は「声によるコンピューティングの急成長」の指標になっているとしており、Amazonはライバル企業を大きく引き離す成長を遂げている、としています。

音声アシスタント搭載のスマートスピーカーに関しては、Amazon Echoシリーズに加え、Google Homeが発売されており、その他にもLINE WAVE、Apple HomePod、Alibaba Tmall Genie X1がアナウンスされています。

Appleは音声アシスタントSiriよりも、高品質のワイヤレスホームスピーカーというキャラクターを前面に出し、活用が進まないスマートスピーカーへ別のアプローチから勝負する戦略を採りました。

またAlibaba Tmall Genie X1の「Tmall」は、Alibabaが運営しているECサイトで、Amazon Echoのように声でオーダーする機能も実装しそうです。ちなみに、漢字の製品名は「天猫精霊X1」。なるほど人工知能アシスタントは精霊だったんですね。

ちなみに、Amazon Echo、Google Homeの両方を試している私にとっては、確かにAmazon Echoの方がSkillも豊富で優れているように見えますが、現状の使い勝手は圧倒的にGoogle Homeの方が上だと感じています。

確かにAlexaにはSkillはたくさんあるのですが、初めての指示に対しては、Skillをスマホアプリから追加しろ、と冷たい反応が返ってきます。それよりは、Google検索を声で行うような感覚のGoogle Homeのほうが、現状役に立っている、という印象です。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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