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このルーキー2人は連動している!? 同じ試合で揃って初本塁打に続き、キャリア2本目も…

宇根夏樹ベースボール・ライター
E.デラクルーズ(中央左)とW.ベンソン(中央右)Jun 18, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月20日、シンシナティ・レッズは、8対6で勝利を収め、10日からの連勝を10に伸ばした。

 この試合の8得点中5得点は、3本のホームランで挙げた。TJ・フリードルの3ランに、エリー・デラクルーズウィル・ベンソンのソロだ。

 フリードルのホームランは通算13本目(シーズン4本目)だが、あとの2人のホームランは、どちらも通算2本目(シーズン2本目)だ。デラクルーズとベンソンは、初本塁打も6月7日の同じ試合で打っている。こちらは、ともに2ラン。同点本塁打とサヨナラ本塁打だ。

 ESPNスタッツ&インフォによると、同じ試合の初本塁打に続き、2本目のホームランも揃って記録したチームメイトは、1923年4月20日に1試合2本塁打ずつのバーニー・フライバーグギャビー・ハートネットと、2016年8月22日と翌日にそれぞれ1本目と2本目のロブ・セゲディンアンドルー・トールズに続き、デラクルーズ&ベンソンが史上3組目だという。

 1組目のペアのうち、ハートネットは翌日に3本目のホームランを打ったが、フライバーグの3本目は、翌々月の14日だった。ともに、メジャーリーグで10年以上にわたってプレーしたものの、ハートネットの通算236本塁打に対し、フライバーグは通算38本。ハートネットは、1935年にMVPを受賞し、引退後に殿堂入りもしている。

 2組目の通算本塁打は、合わせて10本だ。セゲディンは、3本目のホームランを打つことなく、選手生活を終えた。トールズは、ロサンゼルス・ドジャースに在籍しているが、2019年以降はマイナーリーグでもプレーしていない。

 デラクルーズとベンソンが、3本目も同じ試合で打てば、史上初のペアということになる。

 6月6日にメジャーデビューしたデラクルーズは、「赤い衝撃。レッズの「44」はデビュー2試合で二塁打、ホームラン、三塁打」でも書いたとおり、パワーと抜群のスピードを持ち合わせ、トップ・プロスペクトと目されてきた。

 昨年8月1日にメジャーデビューしたベンソンは、2016年のドラフト全体14位だ。今春のトレードで、クリーブランド・ガーディアンズから移ってきた。パワーのポテンシャルは高く、選球眼に優れ、水準以上のスピードも備える。

 それぞれの通算何本目なのかはさておき、デラクルーズとベンソンのアベック・アーチは、2試合で終わりということはなさそうだ。

 なお、フライバーグとハートネットは、1本目&2本目以外にも、2試合で揃ってホームランを打っている。1924年7月21日のアベック・アーチは、それぞれの通算14本目と21本目。1925年5月13日は、通算18本目と33本目だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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