犬は「貨物扱い」? 猛暑での飛行機搭乗はペットに命の危険が
JALによりますと、飛行機に搭乗したペットが昨年の7月と8月に計3件の死亡事案が発生していたと日刊ゲンダイDIGITALは伝えています。
この夏、40度近くになる地域もあり、こんなときに飛行機に犬を搭乗させても大丈夫なのかを考えてみましょう。
ペットは貨物扱い?
犬を含めて動物が飛行機に搭乗する場合は、貨物室に運ばれます(補助犬は例外です)。
つまりペットは貨物扱いになっているのです。それが問題です。
JALの「ペット・動物をお預けのお客様へ」を見ますと、ペットの貨物輸送についてご案内します、と明記されています。ANAも同様に「ペットをお連れのお客様向けサポートについて」でも貨物扱いの動物(ペット)輸送について(国内)とあります。
これのサイトを見ると飼い主としては、ペットを家族の一員と思っているのに、ペットが貨物扱いという表現になっているので、驚くのではないでしょうか。
犬が夏に飛行機に搭乗することの危険性は?
ANAの「貨物扱いの動物(ペット)輸送について(国内)」に以下のようにハッキリと明記されています。
つまり、ペットは出発の50分前までは直射日光にはあたらないし、風通しのよいところにはいますが、決して冷房の部屋にいるわけではないようです。そのうえ、預かったペットを貨物室に移動するときに、外気にさらされるので、そのときは気温が上昇して35度を超えることもあるかもしれないので、犬の熱中症になりやすい環境です。
もちろん、いくら貨物扱いだといってもペットは、客室と同じように飛行機の中の空調管理をされた貨物室いますが、外気の影響を受けやすいのは事実です。
飛行機に搭乗できない犬
JALでは飛行機に搭乗できない犬を以下のように決めています。
・ブルドッグ
・フレンチブルドッグ
・生後8週間(56 日)以内の犬
ANAでもペットの「健康被害が生じる可能性が高い状態」を以下のように詳しく決めています。
・食欲がなく、元気がない
・呼吸が荒く、心拍数が上がっている
・ふらふらとした歩行状態である
・過度に緊張し、震えている
・過度に緊張し、大量のよだれが出ている
・パニック状態になり、吠え続けている
他にANAは「輸送できない場合」を以下にしています。
・妊娠している
・生後8週間以内の子犬
・心臓疾患・呼吸器疾患がある
国内線で夏季期間中(毎年5月1日から10月31日まで)は飛行機に搭乗できない犬
JALは下記21種の犬種は、国内線で夏季期間中(毎年5月1日から10月31日まで)は乗れない犬になっています。
ANAも同じように13種の犬が夏季期間は搭乗できなくなっています。
獣医師から夏場に飛行機の搭乗を控えた方がいい犬
JALやANAの飛行機に搭乗できない犬はもちろんですが、それ以外にも以下の子は控えた方がいいです。
・シニアの子
シニアの子は、体温調節がうまくいかない子が多いです。
・肥満の子
肥満の子も体温調節がうまくできない子が多いです。
・基礎疾患を持っている
心臓病、慢性の下痢、糖尿病、がんの子などはやはり体温調節がうまくいかない子が多いです。
・体重が2キロ以下の犬
体力がなく、脱水になりやすいです。
・寒冷地原産の犬
バーニーズマウンテンドッグやセントバーナードは、超大型犬なのであまり飛行機に乗せることはないと思いますが、この子たちは暑さに弱いです。
犬を夏場に飛行機に乗せる場合はどうしたらいいか?
この夏は、猛暑なのでできれば、犬は、飛行機に搭乗させないほうがいいと思いますが、どうしてもの場合は、以下のことに気をつけてください。
・朝や晩などの比較的外気温が、低めの時間帯の便にする
・輸送容器(クレート)の中に保冷剤を敷き詰める(犬が噛まないように注意する)
・水に浸すと体が冷える服を着せる
・首に保冷剤が入った首輪を巻く
・飛行機に搭乗する前に、十分な水分補給
なかなか難しい場合は、動物病院で皮下点滴をして水分補給をしてもらう
・輸送容器に飲み水のボトルをつけるときは、その水を凍らせる
最後に
STARFLYERという航空会社は、2022年3月27日より「FLY WITH PET!」というサービスがあり、ペットと一緒に客室に搭乗できます。長さ50cm×横幅40cm×高さ40cm以内のケージに入れることのできるペットなら、飼い主の隣のシートにいられるのです。
他の航空会社もペットは貨物扱いではなく、飼い主と同じ客室で搭乗できるようになることを願います。