北朝鮮が「超大型弾頭」の巡航ミサイル発射試験を実施
2月3日、北朝鮮は前日の2月2日に黄海側で行ったミサイルの発射は「巡航ミサイルの超大型戦闘部威力実験と新型対空ミサイルの試射」だったと発表しました。戦闘部とは弾頭の意味になります。
北朝鮮ミサイル発射2024
- 01月14日14時53分ごろ中距離弾道ミサイル1発 ※固体燃料化「極超音速ミサイル」
- 01月24日07時00分ごろ巡航ミサイル複数発 ※プルファサル-3-31、黄海
- 01月28日08時00分ごろ巡航ミサイル複数発 ※プルファサル-3-31、日本海
- 01月30日07時00分ごろ巡航ミサイル複数発 ※ファサル-2、黄海
- 02月02日11時00分ごろ巡航ミサイル複数発 ※超大型弾頭、黄海
※北朝鮮に課せられた国連安保理決議への違反となるのは弾道ミサイル技術を用いた発射(衛星打ち上げロケット含む)であり、巡航ミサイルの発射は違反行為ではない。
※巡航ミサイルは低高度を飛ぶため、遠くからでは地球の丸みの陰に隠れて観測し難く、数が特定できていない。
※新型巡航ミサイルのプルファサルのプル(불)は火の意味。ファサル(화살)は矢。31という追加番号の意味は不明だが、以前に模型が公開された戦術核弾頭「火山31(ファサン31、화산31)」を指している可能性がある。
※1月30日発射のファサル-2巡航ミサイルは機首先端にカメラが装着されていた。カメラ搭載型の存在自体は地上展示「自衛2021」などで既に公開されていたが、空中を飛んでいる姿は初めて。
※公開写真だけではプルファサル-3-31とファサル-2の差異ははっきりしない。
2024年2月2日の巡航ミサイル「超大型弾頭」実験の意味について
- 「超大型弾頭」巡航ミサイルは目標の建物に水平突入
- もし通常弾頭の貫通弾頭ならば急降下突入になるはず
- もし核弾頭の模擬ならば高度ある空中起爆になるはず
もし通常弾頭の「超大型弾頭」ならば貫通弾頭ではない単純に炸薬量を増やした新型の大重量弾頭になります。そして核弾頭の「超大型弾頭」だった場合、核弾頭の小型化がまだ達成できておらず、大型の核弾頭を模擬した実験だったが、それを気取られてはいけない為、通常弾頭の大型版だと偽装した実験だった可能性があります。
2024年2月2日の新型対空ミサイルの試射
形状を見る限り、2021年10月1日に初公開された2段式の新型地対空ミサイルです。長射程の大型のものです。ミサイルは2種類あり、サステナーは共通で、ブースターの大きさに大小があります。
参考:兵器展示会「自衛2021」での「新型地対空ミサイル」