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敗因はメンタル面? 横綱不在の重圧? 初日から3連敗の朝乃山に送るエール

飯塚さきスポーツライター/相撲ライター
写真:日刊スポーツ/アフロ

朝乃山まさかの3連敗

まさかの黒星であった。初日、二日目に続き、大関朝乃山に三度土がついた。

二日目は、来場所で新三役への昇進も期待できる隆の勝との対戦だった。立ち合いから隆の勝が低く当たり、突き離しながら前へ攻める。途中、朝乃山が投げを打つ格好になったところで相手を呼び込んでしまい、隆の勝がそこを逃さず一気に前に出て寄り切った。

結びの一番となった昨日の相手は、先場所で敗れた照ノ富士。前日の隆の勝戦とは変わって、この日は朝乃山が立ち合い頭から当たり、前みつを狙いながら土俵際まで一気に攻め込んだ。しかし、俵に足をかけて残った照ノ富士に左上手をしっかり取られてしまい、押し返されて最後は華麗な上手投げに倒れる形となった。

敗因はメンタル面か?

取組後、「体は動いているので切り替えて臨みたい」と話したという朝乃山。たしかに、この日は序盤の攻めがよかっただけに、悔しい1敗だったのではないだろうか。

テレビの解説では「勝ち急いでいるように見える」とも言われた。大関という地位や賜杯リベンジへのプレッシャーか、はたまた新型コロナウイルスによる稽古量への不安か――。敗因は、体力や技術よりも、その精神面にあるのかもしれない。だとしたらなおさら、ファンや周囲からの応援は力になるだろう。館内では声援こそ送ることができない昨今だが、思いは届けられるはずだ。

横綱不在の今場所で、場所を引っ張る存在でいてほしいという気持ちはいまも変わらない。だからこそ、本人の言うように、しっかりと切り替えて、今日からの取組で星を挽回してくれることを願っている。

一方、好調の力士も

三日目を終えた時点でいうと、ここまで絶好調の正代の活躍には目を見張るものがあるし、関脇・御嶽海を下した隆の勝の勢いにも大きな感銘を受けている。さらには、新入幕で3連勝中の翔猿や、新関脇の大栄翔を破ったベテラン・妙義龍の取組も面白かった。しかし、まだ三日目が終わったばかり。調子のいい力士については後々書けるタイミングがきっとあるだろうと思い直し、今回は朝乃山へのエールの記事としたい。

スポーツライター/相撲ライター

1989(平成元)年生まれ、さいたま市出身。早稲田大学国際教養学部卒業。ベースボール・マガジン社に勤務後、2018年に独立。フリーのスポーツライター・相撲ライターとして『相撲』(同社)、『Number Web』(文藝春秋)などで執筆中。2019年ラグビーワールドカップでは、アメリカ代表チーム通訳として1カ月間帯同した。著書に『日本で力士になるということ 外国出身力士の魂』、構成・インタビューを担当した横綱・照ノ富士の著書『奈落の底から見上げた明日』。

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