高級アイスが続々!2019年秋冬アイスの傾向は!?
秋を迎え、スイーツの嗜好はかき氷やゼリーといったさっぱり系のスイーツから、チョコ、クリームなど濃厚系に移行。中でも、「冬アイス」という言葉が定番になったアイス市場では、秋冬向けの新商品が続々と発売されている。
一般社団法人 日本アイスクリーム協会の調べによると、アイスクリーム市場の規模は、2018年度で約5,186億円。2011年より7年連続の市場拡大を実現しており、この6年間で1000億の販売増加を達成している。その背景にあるのは、コンビニアイスに代表される「大人をターゲットに絞ったアイス」のマーケット拡大だ。少子高齢化を見据えたメーカー各社の戦略もあり、様々なブランドから高価格帯の「大人アイス」が発売に。2019年の秋冬も、人気が続くケーキタイプのアイスや、洋酒をしっかりきかせた大人限定アイスなどが発売。これらは200円台以上のアイスも多く、アイスの高価格化はますます進んでいるようだ。
成城石井の看板スイーツがアイスに!
ではここからは、2019年秋冬の注目アイスを紹介していこう。まず1品目は、成城石井の「成城石井desica プレミアムチーズケーキアイス」(349円+税)。成城石井の看板商品「成城石井自家製プレミアムチーズケーキ」がアイスになって初登場したもので、「プレミアムチーズケーキを凍らせて食べるとおいしい」というお客の声をヒントに、約1年の歳月をかけて完成させたという。「プレミアムチーズケーキ」は、スポンジ、スライスアーモンド入りのチーズ生地、サクサクのシュトロイゼルの3層構造で、多彩な味わいと食感が魅力の商品。その味わいをアイスとして進化させた「プレミアムチーズケーキ アイス」は、クリームチーズの配合比率をできる限り高め、濃厚な味わいを実現。その上に、アーモンドの風味やコクを出したシュトロイゼル風クッキーを重ね、レーズンをアクセントにトッピングしている。
セブン‐イレブンの最上級シリーズに「金のミルクアイス」が仲間入り!
オリジナルアイスに強みをもつ、セブン‐イレブン。セブン&アイグループのプライベートブランドの中でも最上級と位置付ける「セブンプレミアム ゴールド」から新作アイスが登場した。同ブランドは、「専門店品質をお求めやすい価格で」をコンセプトに、2010年9月より展開をスタート。今後はさらなるブランド強化に向け、本年度中に50以上のアイテム展開を予定しているという。アイスでは、2018年6月の発売以降、累計1800万個以上を販売している「セブンプレミアム ゴールド 金のワッフルコーン ミルクバニラ」が大人気。加えて、10月11日には、新作の「セブンプレミアム ゴールド 金のミルクアイス」(198円+税)が発売された。「セブンプレミアム ゴールド 金のミルクアイス」は、「セブンプレミアム ゴールド 金のワッフルコーン ミルクバニラ」で支持されている乳本来の素材の味わいとなめらかな食感をベースに仕立てたカップアイス。コクのあるミルク感と、スプーン通りのよいなめらかな口どけが味わえる。
この秋冬も人気継続中!食感も楽しめるケーキ風アイス
明治の人気アイス「エッセル スーパーカップ」の高価格帯路線として、2016年12月より展開している「Sweet's」シリーズ。アイスと素材の層構造により、ケーキのようなデザート感を楽しめるのが魅力で、第1弾の「苺ショートケーキ」以降、「ティラミス」や「ブルーベリーチーズケーキ」などのフレーバーを販売し話題を呼んできた。
今回発売した「明治エッセルスーパーカップSweet’s モンブラン」(220円+税)は、マロン風味アイス、塩気のきいたクッキー、ホイップクリーム風アイス、マロン果肉入りソースの4層構造。多彩な食感とともに、「モンブラン」の味わいを楽しめる仕立てとなっている。
ヘルシーVSハイカロリー。アイスのニーズも2極化
健康志向が高まる時代に逆行するように、“超濃厚”や“ハイカロリー”を売りにしたアイスも、昨今のトレンドとなっている。なかでも今期の注目が、「チェリオ」から発売された「カロリーモンスター」シリーズだ。「チェリオ」は、1984年に発売されたロングセラー商品。分厚い板チョコを入れたアイスをアーモンドなどが入ったチョコレートでコーティングしており、がっつりとした満足感の得られる仕立てが人気だ。2019年3月、「チェリオ史上最高カロリー」を謳い文句にした「カロリーモンスターチェリオ トリプルチーズ味」が発売され、3種のチーズが織りなす濃厚な味わいと、300キロカロリーを超える高カロリー感が“悪魔的アイス”と話題を呼んだ。9月に発売された第2弾「クリーミーマヨネーズ味」に続いて10月15日には、ローソン限定で「チェリオカロリーモンスタートリプルキャラメル味」(税込173円)が発売に。3種類のキャラメルを使用した、こってりした味わいが楽しめる。
ヤミツキになる濃厚&ハイカロリーなアイスが話題になる一方で、アイスにも健康的な要素を求めるニーズも高まっている。9月30日、ロッテから発売されたのは、“砂糖ゼロ・糖類ゼロ”を謳うヘルシーアイス。同社が展開する“砂糖ゼロ・糖類ゼロ”の菓子ブランド「ZERO(ゼロ)」の初めてのアイス商品で、「ZERO チョコアイスバー」と「ZERO アイスケーキ」(各140円+税)の2品だ。砂糖や糖類を使わず、カロリーもチョコアイスバーが142キロカロリー、アイスケーキが89キロカロリーと控えめになっている。
あの人気チョコがアイスに!洋酒香る大人の味わい
大人をターゲットにしたアイスで今秋注目なのが、洋酒を使用したロッテのチョコレート「ラミー」ブランドから誕生した「ラミーチョコアイス」(210円)だ。「ラミー」は、1965年発売以来、洋酒のきいた大人のチョコレートとして愛されるロングセラー商品。「ラミー
チョコアイス」では、ラミーのミルクチョコの味を再現しつつ、ラムレーズンはラミーチョコ秘伝のラム酒レシピに基づき、アイス用にアレンジ。芳醇な香りやみずみずしい味わいを楽しめるようにしている。
まだまだ人気!タピオカアイス
2019年は、トレンドのタピオカを使ったアイスが多数発売されているが、今秋もまだその傾向は継続しているようだ。ファミリーマートから過去2回発売され、話題を呼んだ「タピオカティーラテ氷」は、秋冬向けの「タピオカティーラテアイス」(税込208円)になって10月1日から発売中。ブラックタピオカの入った紅茶味のかき氷部分を紅茶シャーベットに変え、上にふんわりとしたミルク味アイスをのせ、秋冬でも美味しく味わえるよう配慮されている。ファミリーマートではもう1品、苺・ブルーベリー・クランベリーの3種のベリー果肉とタピオカが入った「アンディコ タピオカベリーベリー」(166円+税)も販売中。冷凍下でも、もちもちとしたタピオカの食感が味わえる。
秋冬に食べたい!芋栗&フルーツ系
最後に、秋冬ならではの素材感を味わえるアイスを紹介しよう。ローソンでは、秋冬向けのアイスとして、「UchiCafe和栗と安納芋ワッフルコーン」(税込298円)や、「UchiCafe日本のフルーツ青森県産ふじりんご」(税込185円/10月22日発売)を販売。前者は、熊本県産の和栗アイスと、ダイスカットした鹿児島産の安納芋をあわせた、秋の味覚を贅沢に味わうことができるワッフルコーン。後者は、日本のフルーツを使ったローソンの人気アイスシリーズの新作。フルーツバーが減ってくる秋冬に、さっぱりと味わえる貴重な存在だ。
昨今は、こうした季節限定のアイスがSNS上で話題に上ることも多く、人気に火がついた商品は即品薄になってしまうことも多い。大人の身近なスイーツとして、アイスはますます定着してきている。