【ウルトラマンを動物園で飼育?】日本の特撮ヒーロー番組で発生した「動物」を巡る珍騒動とは?
みなさま、こんにちは!
文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。
少しずつ春の足音を感じるようになりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
さて、今回のテーマは「動物」です。
突然ですが、皆さまはどんな動物がお好きですか?
子どもたちが大好きな動物の代表格、ゾウさん?
強くて力持ちの印象のゴリラさん?
それとも、日本でも大人気のパンダさんでしょうか?
このようにひとくちに「動物」といってもその種類は様々。世界にはたくさんの動物達が存在し、その生態系は各国の動物園や国立公園、研究施設等で学ぶことが出来ます。
数ある動物達の中には、ニュージーランドの巨鳥・ジャイアントモアのように現代の地上からいなくなってしまった種もいますが(厳密には鳥類)、動物達は子どもにも大人にとっても大スターとして、地球上に君臨し続けています。
日曜日の朝の子ども番組の代表格である「仮面ライダーシリーズ」(東映)、「スーパー戦隊シリーズ」(東映)や「プリキュアシリーズ」(東映アニメーション)のモチーフとしても、「動物」からアニマル・スピリッツを継承したスーパーヒーロー達は数多く登場してきました。
そこで今回は、子どもも大人も大好きな「動物」を巡る、とある特撮ヒーロー番組の珍事件について少しお話をしたいと思います。
※本記事は「私、アニメや特撮にくわしくないわ」という方にもご覧頂けますよう、可能な限り概要的にお話をしておりますので、ゆっくり肩の力を抜いて、お好きな物を片手に気軽にお楽しみ頂けたらと思います。
【ウルトラマンを動物園で飼育してしまえ?!】怖れていたバルタン星人の動物園作戦とは?
さてさて、今日のお話のテーマは「動物」ですが、そんな動物達に触れ合える身近なレジャー施設であるのが「動物園」。お金を払って動物達を観察する非日常空間なのが動物園ですが、この動物園に国民的特撮ヒーローであるウルトラマンを飼育して、動物園の見せ物にしてやろうと考えた悪い宇宙人がいました。
その宇宙人こそ、宇宙忍者バルタン星人。
ウルトラマンファンならずとも知られている彼らですが、ウルトラマンシリーズに何度も登場している人気者。蝉を彷彿とさせる顔立ちや大きなハサミ等の、強烈なビジュアルに加え、「フォ、フォ、フォ」という奇声を通じた高笑い、姿をパッと消したり、分身の術を得意とするバルタン忍法で、歴代のウルトラマン達を苦しめました。
上述した奇々怪々なキャラクター性に加え、実は故郷の星(バルタン星)を核実験で失い、宇宙を彷徨ってきた結果、地球を侵略しようと画策するという、いわば「宇宙難民」とも呼べる存在でもありました。
そんな悲しき背景も事情も持つバルタン星人ですが、ある時(色々な意味で)奇抜な作戦を思いつきます。
それは、バルタン星人の「動物園作戦」。
「ちょっとなに言ってるかわからない・・・」という方が多いと思います。
簡潔に言いますと、ウルトラマンをつかまえて、母星(バルタン星)の動物園に入れて、優秀なバルタン星人の下等動物として飼育してやろうという作戦でした。
「あれ?バルタン星って核実験でなくなったんじゃなかったっけ?」
・・・問題はそこです。バルタン星はなくなってしまったはずなのに、いつのまにか彼らは母星を有していた上、動物園というレジャー施設までちゃっかり完備していたのです。
そもそもウルトラマンを動物園で飼育して何がしたかったのか?
見世物として経済的な利益を享受しようとしたのか?あるいは非人道的な扱いをすることで、恨み重なるウルトラマンに屈辱を与えてやろうという彼らなりの嫌がらせか・・・?
真意はともかく、このなんとも言い難い作戦が展開されたのは、1980年から1年間放送されたウルトラマンシリーズ第9作『ウルトラマン80(エイティ)』の中の1エピソードでした。お話の内容は下記のとおりです。
ウルトラマン80第37話「怖れていたバルタン星人の動物園作戦」
(1980年12月17日放送、脚本:石堂淑朗)
地球を守る特捜チームである「UGM」のお仕事をよく知ってもらうため、子ども達の中から「UGM訪問豆記者」を選ぶ企画が実施された。男女2名の子どもが選出されるも、急遽男の子が帰宅することになり、代わりに政夫という少年が豆記者代行として参加することになった。UGMの基地の中を見学する二人であったが、この政夫少年、実はバルタン星人が変身した偽物であり、UGM隊員・矢的猛(ウルトラマン80)を誘拐して母星の見世物にしようと企んでいた。正体を見破ったウルトラマン80によってバルタン星人の計画は阻止されるのだった。
本作に登場したバルタン星人(初代から通算5代目)ですが、上述したとおり少年に変身して、まんまとUGM基地に忍び込みますが、実はあっさりと猛(ウルトラマン80)に正体を見破られてしまいます。その決め手となったのが、彼のおかしな言動や仕草でした。
例えば、基地の中を見学している最中、宇宙を見て「いやぁ懐かしいなぁ・・・。早く帰りたいなぁ・・・」と声に出してニタニタ笑う行為を行なったりと、ウルトラマンならずとも不審に思われるような不自然な姿をたびたび露わにしていたのです。
最終的に正体を見破られたバルタン星人・・・ウルトラマン80と交戦します。ウルトラマンを誘拐するために用意していた巨大な宇宙船とタッグを組んで、80を集中砲火で苦しめたほか、自在に姿を消したり、さらに激しめの肉弾戦を繰り広げたりと、戦闘面ではなかなかの「デキるやつ」でしたが、最終的に80に両足をつかまれ、フルスイングで宇宙船にぶん投げられ宇宙船ごと爆死するというド派手な最期を遂げたのでした。
上述してきた『ウルトラマン80(1980)』におけるバルタン星人の挑戦ですが、これまでのようなウルトラマンをやっつけようというものではなく、動物園に入れて飼育してしまおうという、極めてとんちんかんな作戦ではありました。実は本作におけるバルタン星人の挑戦はこれで終わりではなく、その志を継いだ6代目が登場します(第45話)。その作戦内容も、「近所の子どもの喧嘩から、家と家との喧嘩、最後には国際紛争に発展させて人間同士を滅ぼしてしまおう」という、こちらも極めて支離滅裂な作戦であり、これもウルトラマン80に阻止されました。戦略的な曖昧さはともかく、何度倒されてもウルトラマンに挑戦する限りなきチャレンジ魂は見習っていきたいものです。
【あなたが好きな動物戦隊は?】ウルトラセブン登場の宇宙人も展示?歴史あるハワイの動物園、ホノルル動物園ってどこ?
さて、ここまでは「動物園」を巡るバルタン星人の珍作戦について上述してきましたが、そんな私達の日常生活において身近なレジャー施設である「動物園」。家族団らんの場所であるだけでなく、生き生きと動く動物達の姿やその生態系を学ぶ上で、極めて社会的・学術的意義のある場所であります。
そんな「動物園」に飼育されている動物達ですが、彼らは大人も子どもにも愛される大スター!ゾウやトラ、ライオンといった動物達は、『秘密戦隊ゴレンジャー(1975)』を起点とするスーパー戦隊シリーズをはじめ、今や親子三世代に愛される特撮ヒーロー番組のモチーフとしても使用されてきました。
上記でご紹介した「動物」のスーパー戦隊はほんの一部で、実際はシリーズを通して数多くの動物の力を宿したヒーローが、約50年に渡るスーパー戦隊シリーズの歴史の中で登場しています。
そんな彼らのモチーフである動物達に、子ども達が身近に会える場所が動物園ですが、今回は世界中にある動物園の中から、少しユニークな動物園をご紹介します。
その動物園とは、米国ハワイ州オアフ島・ホノルルにある「ホノルル動物園(Honolulu Zoo)」。
(HONOLULU ZOO)
住所:151 Kapahulu Ave. Honolulu HI 96815
電話:(808)971-7171
開園時間:10:00〜15:00 休園日:クリスマス
入園料:大人(13才以上)$21、子ども(3-12才)$13、幼児(2才以下)無料
公式URL:https://www.honoluluzoo.org/(外部リンク)
「ホノルル動物園」は1914年から1916年の間にかけてライオンや象がやってきて現代的な動物園になり、1947年に正式にハワイ州の動物園として指定されたという、ホノルルの歴史ある動物園。
その立地も独特かつ便利で、ワイキキの繁華街の道(カラカウア通り、ダイヤモンドヘッド方面)を歩きながら約15分ほど(※滞在するホノルル市内のホテルによって前後します)。
もともとホノルル動物園は隣接するカピオラニ公園とともにハワイの王族の土地であり、1876年に第7代ハワイ王国国王であるカラカウア王が「大勢の人々が楽しめる場所になるように」と市民に分け与えた場所とのこと。
つまり、もともと王族の土地である場所に「動物園」がつくられ、世界中から多くの観光客が集まるようになった場所であるという点でも、史実を含め世界的に類を見ない動物園といっても過言ではないと思います。
ホノルル動物園の面積は17万平方メートルと、東京の上野動物園の面積(14万平方メートル)よりもやや広め。園内は12のエリアに大別され、哺乳類や爬虫類、鳥類などの動物およそ220種類、合計1,200以上の動物が飼育されています。
私も幼少期からハワイでよくロングステイをしていたので、「ホノルル動物園」には家族で過ごす場所として通っていたのですが、ゾウやキリンといった子ども達に大人気の動物達と並んで、園内の数ある動物達の中でも私が特にお勧めな動物達をご紹介します。
まずは、コモドオオトカゲ(英名:Komodo Dragon)。日本の動物園でも滅多に見られないオオトカゲで、インドネシア(コモド島をはじめ、同国内の複数の島々)に生息。全長200-300cm、最大体重も160kg以上と大きな体格、山羊や犬に留まらず、大型哺乳類でさえ餌食とする開口で、人間さえも捕食可能(現に人が襲われて死亡した事件もあったのだとか)。昨今では、珍獣ハンターのイモト・アヤコさんが挑んだ動物としても知られています(『世界の果てまでイッテQ!』)。
そして、ゴールデンライオンタマリン(英名:Golden Lion Tamarin)。日本では浜松市動物園(外部リンク)のような、限られた動物園のみでしか見ることが出来ません(2024年現在、浜松市動物園にいるゴールデンライオンタマリンのエリオくんが、国内で唯一の展示とのこと)。名前と共に神々しい印象なお猿さんであるゴールデンライオンタマリンですが、体高は30cmほどでブラジルに分布する固有種。そのライオンのような独特な風貌からか、ゴールデンライオンタマリンは円谷プロ制作の特撮ヒーロー番組『ウルトラセブン(1967)』では、猿型の宇宙人(ゴーロン星人)が化けた姿として登場しました。
いかがでしたか?上記でご紹介したホノルル動物園の動物達ですが、園内の220種類、合計1,200以上の動物の中のほんの一部分にしか過ぎません。また園内も動物達の見学に留まらず、園の中央部にはベンチや子どもの遊具もある芝生エリアもあるので、ゆっくりピクニックを楽しむことも可能です。
またホノルル動物園周辺には、ワイキキ水族館をはじめ、他のレジャー施設も集中しているので、周辺施設と併せてコンパクトにワイキキの1日を楽しむことができます。
新しい発見と大好きな動物達と会える魅力が詰まったホノルル動物園。
皆さまもハワイに訪れた際は、是非チェックしてみてくださいね。
最後までご覧頂きまして、ありがとうございました。