オリックス山本由伸の争奪戦にメッツも参戦か? ニューヨークの番記者が予想
今オフ、ポスティングシステムでのメジャー入りが期待される山本の獲得に多くのチームが乗り出すことは確実だ。メジャー最多27度の優勝経験を持つ名門ニューヨーク・ヤンキースが本腰を入れることも予想されている。
同じニューヨークに本拠地を置くメッツも黙ってはいない。今季はメジャー最高の給料総額が費やされながら、惨敗でシーズン途中にチーム解体に至ったチームは近未来を睨んだ補強に全力を注いでくるだろう。一部ですでに噂されている通りに山本も狙ってくるのかどうか、The Athleticのメッツのビートライター(番記者)、ウィル・サモン記者に意見を求めた。
山本はメッツのプランにフィットする
今春、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での山本の投球を見て、私も好印象を受けた。過去に渡米してきた日本人投手たちと同様、ビッグステージで投げる準備ができているハイレベルなピッチャーだ。変化球の質は高く、速球の球速も出ていた。
NPBでの投球のハイライトを見ても、メジャーリーグでも通用する投手に思える。私自身も彼の投球をもうすぐアメリカで見られることにエキサイトしているし、メッツが興味を持っていると伝えられているのも当然だろう。
来季のメッツの先発ローテーションは今季1年目で活躍した千賀滉大、実績ある左腕のホセ・キンタナ以外は定まっていない。27歳のデビッド・ピーターソン、28歳のタイラー・メギルの力がどう判断されるかはわからないが、彼らはまだメジャーの先発でやっていけることを完全に証明するには至っていない。だとすれば、先発ローテーションには3つも空きができるかもしれない。先発投手の補強はメッツにとってオフのプライオリティになるだろう。
山本はまだ25歳。実力的に優れているだけでなく、年齢的にも今まさに全盛期だ。その若さをメッツは気に入るはずで、来年はもちろん、2025、2026年と継続して勝ちにいきたいチームのプランにフィットする投手といえる。
今季、トレード期限に売りに出たメッツは来オフは大補強はしないのではないかという推測もある。ただ、これまでもスター選手に大枚を叩いてきた大富豪スティーブ・コーエン・オーナーが投資を惜しむとは信じがたい。
ジャスティン・バーランダー、マックス・シャーザーを獲得したこれまでのように高齢選手に高給をつぎ込むことは避けるかもしれないが、山本のような若い選手への見方は違う。今後は将来を担う選手に目を向けることが予想され、山本はまさにチームが求めている先発投手だ。
メッツには今季、千賀が加わり、日本人投手を迎え入れる土壌は整っている。ビリー・エプラーGMには日本でのスカウティングの経験があるのも大きい。様々な意味で、山本はメッツにとって理に叶う素材に思えてならない。山本は千賀よりも若く、気になる故障歴もないだけに、メッツが本腰を入れたとすれば、千賀に提示した5年7500万ドルを上回る契約オファーを考慮するのではないか。