DeNAの悩みの種。センターラインにどっしりとした主力不在
チーム防御率3.80、被安打1298本、失点598点、与四球464個は全てリーグ最下位。DeNAは抑えの山崎康晃が37セーブ、防御率1.97と奮闘したが規定投球回到達者は0。先発陣の防御率は軒並み4点台と崩壊気味で優勝のために底上げは不可欠。わかりやすい数字が揃っているため投手陣がやり玉に挙げられることが多いが、野手陣においても肝要なポジションに弱点を抱えている。
正捕手不在で嶺井、黒羽根、高城の3人がスタメンマスクを分け合い、シーズン68暴投はプロ野球タイ記録と不名誉な記録に並んでしまった。暴投は投手の記録だが、ワンバウンドすれば記録上暴投とされることもあり捕手の技術不足を指摘する声も多数あった。捕逸と合わせたバッテリーミスは79個で36個のヤクルト、38個の広島の倍以上。52個でリーグワースト2位の中日に27個もの大差をつけてしまった。9月29日の阪神では同点の9回裏、先頭打者を三振に仕留めるも暴投による振り逃げで出塁を許し、バントに失策が絡んでランナーを三塁に背負うと捕逸で生還を許しサヨナラ負け。無安打無四死球で1点を失い接戦を落としてしまった。正捕手を固定出来ないDeNA、盗塁阻止率はまずまずだが被盗塁企図数は
ヤク 76
巨 89
阪 96
広 95
中 104
De 123
と明らかに多い。盗塁阻止は投手との共同作業であるため捕手のみを責めることは出来ないが他球団から隙があると思われていることは間違いない。
捕手以外にも荒波、石川が離脱していたこともあるが、レギュラーを固定出来なかったポジションは二塁、遊撃、中堅と見事にセンターライン。ポジション別OPSで中堅の.643こそリーグ3位だが、二塁の.605、遊撃の.578はワーストだった。一塁、三塁をロペス、バルディリスと助っ人で固め、左翼、右翼には筒香、梶谷とチームの顔が座ったがセンターラインがガタガタ。最後のAクラス入りは10年前の2005年まで遡り、2006年以降の10年間で最下位が7度。目前に迫ったドラフトでは即戦力投手が欲しいのはもちろんだが、野手でもセンターラインを守れる即戦力を獲りたい。課題が多く常勝軍団形成への道のりは険しそうだ。