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ルーキー2人が同じ日に「1試合3本塁打」。奇しくも彼らの背番号は同じ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヨーダン・アルバレス/右はジョナサン・ビヤー Aug 10, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月10日、アリスティーディス・アキーノ(シンシナティ・レッズ)とヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)が、それぞれ別の試合で、ホームランを3本ずつ打った。

 アキーノは25歳のドミニカン。昨年8月にメジャーデビューしたが、2試合目の出場は今年8月だ。アルバレスは22歳のキューバン。こちらは、今年6月にメジャーデビューした。スタッツ社によれば、2人のルーキーが同じ日に1試合3本塁打は、史上初だという。

 ルーキーという枠を外せば、同じ日に2人が1試合3本塁打は、過去にも起きている。最も近いのは、昨年5月2日のムーキー・ベッツ(ボストン・レッドソックス)とエドウィン・エンカーナシオン(当時クリーブランド・インディアンズ/現ニューヨーク・ヤンキース)だ。この時にMLB.comのアンドルー・サイモンが発表した記事によると、同じ日に2人は史上15組目。3人以上が打った日はない。アキーノとアルバレスは、史上16組目ということになる。

 ちなみに、チームメイト2人による1試合3本塁打は、2001年9月25日の1度だけ。ミルウォーキー・ブルワーズのジェロミー・バーニッツリッチー・セクソンが、同じ試合で記録している。同じ試合でチームの異なる2人が3本ずつ打ち合ったことがあるかどうかについて、残念ながら、サイモンは書いていない。

 アキーノとアルバレスは、ルーキーという点だけでなく、背番号も共通する。デビューした時、アキーノの背番号は「63」だったが、今シーズンは「44」を背負っている。アルバレスも背番号「44」だ。

 背番号「44」の選手には、スラッガーが多い。ハンク・アーロン(755本塁打)、レジー・ジャクソン(563本塁打)、ウィリー・マッコビー(521本塁打)、アダム・ダン(462本塁打)は、いずれも10シーズン以上、背番号「44」のユニフォームを着てプレーした。バーニッツとホームランを3本ずつ打ったセクソンも、インディアンズとシアトル・マリナーズでは背番号「44」だった。現役選手では、アンソニー・リゾー(シカゴ・カブス)がそう。現在は背番号「46」のポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)も、昨シーズンまではアリゾナ・ダイヤモンドバックスで「44」を背負っていた。

 アキーノは1試合3本塁打(&4試合連続本塁打)により、通算本塁打を7本とした。デビューから10試合で7本は、トレバー・ストーリー(コロラド・ロッキーズ)と並ぶ最多記録だ。一方、アルバレスはグランドスラムを含む3本塁打で計7打点を挙げ、通算打点を51に。ベースボール・リファレンスによると、デビューから45試合の最多記録(1908年以降)を塗り替えた。それまでは、テッド・ウィリアムズの47打点が最も多かった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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