日本のワクチン接種率は世界で129位 OECD加盟国で最下位
日本の新型コロナウイルスのワクチン接種が国際的に見ても遅れている。世界196カ国中129位にとどまっている。先進国の集まりである経済協力開発機構(OECD)加盟37カ国の中では最下位に陥っている。
世界のワクチン接種状況を追跡するブルームバーグの「ワクチン・トラッカー」の5月10日時点のデータによると、日本で少なくとも1回の接種を受けた人の割合は2.4%にとどまっている。日本より接種開始が遅かった韓国は7.1%で世界98位となり、日本は水をあけられてきている。日本は、国軍による市民への武力弾圧が続くミャンマーの3.2%よりも低い。
OECD加盟国37カ国の中では、日本、コロンビア、ニュージーランド、オーストラリア、韓国の5カ国の接種開始が遅れた。日本とコロンビアが2月17日に接種を開始。続いて、ニュージーランドが2月20日、オーストラリアが2月22日、韓国が2月26日にそれぞれ接種を開始した。しかし、今では日本は、こうした接種を遅れて開始した国々にも逆転されてしまった。
具体的には、少なくとも1回の接種を受けた人の割合はコロンビア7.8%(OECD加盟国中33位)、韓国7.1%(34位)、ニュージーランド4.4%(35位)、日本2.4%(36位)、オーストラリアはデータなしとなっている。
しかし、オーストラリアのワクチン接種データも揃えている英国のオックスフォード大学運営の「データで見る私たちの世界(Our World in Data)」によると、人口100人当たりの接種回数はコロンビア11.98回(33位)、オーストラリア10.3回(34位)、韓国8.15回(35位)、ニュージーランド6.32回(36位)、日本3.32回(37位)と日本の遅れがかなり目立ってきている。
その一方、世界のワクチン接種先進国としては、人口が小規模の国が多い。少なくとも1回の接種を受けた人の割合はジブラルタルが113.9%でトップ。2位はフォークランド諸島の87.7%、3位はモルディブの80.9%となっている。
OECD加盟国では、イスラエルの59.9%がトップ。2位はイギリスの53%、3位はアメリカの45.8%となっている。
菅首相は3回目の緊急事態宣言の延長を決めた5月7日の記者会見で、「長引く感染対策の決め手となるのがワクチン」と述べ、自らの陣頭指揮でワクチン接種を加速していく方針を示した。そして、例年インフルエンザワクチンが1日約60万回接種されているのを根拠に「1日約100万回」の目標を示した。その言葉通りにワクチン接種が円滑に進むのか。世界と比べても、日本のワクチン接種の少なさが目立つ中、菅政権の実行力が問われている。
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