カステラを纏った「抹茶くず団子」本まつばやさん謹製のこし餡と共に
天気は下り坂でも、気温と湿度は急上昇な今日この頃。6月というのに、真夏のような肌を刺す日差しや体にまとわりつくようなむしむしとした空気に、早くも食欲やモチベーションが減退してしまう方もいらっしゃるはず。
そんな時は、葛を使用した見た目ものど越しも涼やかな和菓子で、リフレッシュしてみるのはいかがでしょうか。
大阪府天王寺に本店を構える和菓子屋「本まつばや」さん。日々の生活に寄り添うような和菓子の中に、心が安らぐような、それでいて洗練された魅力や技巧を盛り込んだ、上品な和菓子を展開されているお店です。その本まつばやさんにて販売されている、粋で捻りの効いた葛のお団子がまさに今の季節にぴったりなんです。
今回は、2023年6月14日から6月20日まで玉川高島屋で開催中の催事「THE WAGASHI」にて販売されている「抹茶くず団子」をご紹介。
深みと鮮やかさを兼ね備えた配色は、どこか豊かな土壌の苔を彷彿とさせるような外観。2個繋がりころんとまんまるなくず団子は、女性の方でもひとくちでぱくりと食べられるようなサイズ感。
清涼感の中にふくよかさ漂う抹茶の芳香に、思わず頬がゆるんでしまいます。薫り高いだけではなく、仄かにほっと安らぐようなニュアンスを感じられるのは、そぼろ状のカステラがもつ甘い香りが影響しているのではと推量。カステラがもつ卵のまろやかな口当たりやコクと共に、口の中でとろりと溶けていきます。
葛に抹茶を溶かしこむのではなく、あえてそぼろ状にしたカステラを塗すことでワンランク上の涼を感じられるお菓子に。本まつばやさんならではの、繊細な備中赤小豆こし餡の甘味も、抹茶のもつ旨味と交わって心地よい後味です。
本来カステラは主役級の和菓子ではありますが、こうして別な素材やお菓子を支えるような役割にまわると、よりリッチで上質な一品に進化させてくれるというポテンシャルを備えていることを実感致しました。
なにをどう組み合わせるか。技だけではなく、豊富な知識と経験を培ってきた職人さんならではの発想に感激しながらいただいていると、あっという間になくなってしまうのでご用心。
<玉川高島屋>
東京都世田谷区玉川3-17-1
03-3709-3111
10時~20時
東急田園都市線・東急大井町線「二子玉川」駅西口より徒歩1分
<本まつばや>
大阪府大阪市天王寺区真法院町1-14
06-6771-0304