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折りたたみスマホの「シワ」を軽減するアップルの特許について

栗原潔弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授
出典:米国特許許US1186266公報

スマホやタブレットの携帯性と画面サイズを両立するためのテクノロジとして折りたたみディスプレイが現実的になっています。Google Pixel FoldやGalaxy Z Fold5等が有名かと思います。折りたたみディスプレイの本質的課題として画面の屈曲部の「シワ」(折り目)の問題があるでしょう。各メーカーが様々なイノベーションにより、この問題を軽減しようとしていますが、長期的使用を考えると完全な解決は難しい課題かと思います。

さて、「アップル、折りたたみ式iPhoneを26年発売へ ”折り目”問題の解決に注力」という記事を読みました。

米国特許商標庁は3月7日、米アップルが折りたたみ式のiPhoneやタブレット兼用ノートパソコンに関する特許を出願したと発表し、出願された折りたたみ式ディスプレーの仕様を公開した。

とちょっと変な書き方がされていますが、折りたたみ式デバイスの画面のシワ改善に関する特許出願が出願公開されたということを言っています。

この出願については、アップルの特許情報のニュースサイトPatently Appleでも記事になっていました。米国出願公開番号はUS20240079442です。しかし、実は、この出願は2021年に出願された別の出願の分割出願であり、原出願は結構広い範囲で既に権利化されているのですが、記事中ではまったく触れられていません(Patently Appleはこういうちょっと調べればわかることが書いてなかったりすることがあります)。

ということで、ここでは、元出願の方の特許US1186266について見ていくことにしましょう。発明の名称は”Electronic devices with folding displays having textured flexible areas”(テクスチャ加工されたフレキシブル領域を有する折り畳み式ディスプレイを備えた電子機器)、出願日は2021年12月3日(優先日は2021年1月3日)、登録日は2024年1月2日です。米国以外の出願は確認されていません。きわめて範囲が広く、特に請求項1は、ほとんど技術常識なのではないかと思えるくらいです。

請求項1の内容は以下のとおりです。

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弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授

日本IBM ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事 『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 スタートアップ企業や個人発明家の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています お仕事のお問い合わせ・ご依頼は http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から 【お知らせ】YouTube「弁理士栗原潔の知財情報チャンネル」で知財の入門情報発信中です

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