赤ちゃんの変わったハイハイに驚く!DCD(発達性協調運動症)とは?【保育士ママが漫画で紹介】
こんにちは!発達支援サポーターの『夢 カナエ』です。
わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ、神経発達症(発達障害)の子の母親です。
うちの子は赤ちゃんの頃、一風変わったハイハイをしていました。
「この子のハイハイは独特すぎる…。体のどこかが悪いんじゃないか」
と心配するほど、普通のハイハイとは違っていました。
ハイハイを始めたのは8カ月頃で、時期としては標準的でした。
しかし、その動きが独特でした。
左半身は動かさず、右手と右足だけを動かして移動していたのです。
左半身に麻痺などはなく、他の動作では左手も左足も使います。
しかし、ハイハイの時だけは、左側を動かさないのが本当に不思議でした。
右手と右足しか後かさないのに、なぜか素早く移動することができました。
「ただいま」
お父さんが帰ってくると、
「ズリッ!ズリッ!ズリッ!」
猛スピードで玄関へ迎えにいきます。
高速で地をはう息子の姿と、それを見た父親の驚く表情が、今でも強烈にまぶたに焼きついています。
その後の成長過程で、つかまり立ちや歩行は、他の子と変わりありませんでした。
「あのハイハイは一体何だったの!?」という感じで、赤ちゃん時期は終了しました。
しかし保育園に入る頃、再び発達に疑問を持つ出来事が、次々と起こりました。
椅子に座るときの姿勢の悪さや、運動や工作が思うようにできないシーンが目立ってきたのです。
神経発達症群(発達障害)の一つに、発達性協調運動症(DCD)という症状があります。
たとえば、左右の手足で同時に違う動きをするボール遊びや、右手でハサミを握り、左手に紙を持つ工作など、体のいくつかの部分を同時に動かす協調運動が、うまくできないのです。
DCDと診断されるのは一般的に5歳以降ですが、息子の変わったハイハイは、その前触れだったのかもしれません。
DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル2023)によると、DCDの5〜11歳の児童における有病率は、米国で5〜8%、カナダ、スウェーデン、台湾では7〜8%です。
これを見る限り、決して少ない数値ではありません。
そのうち50〜70%の児童は、青年期になっても協調運動の問題が続くと見積もられています。
成人期になってからも、運転や道具を使うことに困難があり、仕事の遂行に影響を与える場合もあります。
幼児期以降のDCDの症状については、回をあらためてご紹介できればと思います。