ただの運動オンチではない【DCD(発達性協調運動症)の特徴3選】 保育士ママが漫画でわかりやすく解説
こんにちは。発達と育児の支援サポーター『夢 カナエ』です。わたしは、保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ、神経発達症(発達障害)の子の親でもあります。
以前に、赤ちゃんのぎこちないハイハイの理由として、DCD(発達性協調運動症)を紹介しました。
DCDとは、麻痺などの疾患がないにもかかわらず、
・球技をする
・パズルを組み立てる
・字を書く
などの、協調運動が年齢相応に行うことができない状態で、日常生活に著しい支障がある場合に診断されます。
協調運動とは右手と左手、手と目、足と手など、複数の体の動きを組み合わせて行う運動のことです。
歩く、走るなどの体全体を大きく使う、基本的な運動を『粗大運動』といい、物をつまんだりひっぱったりする、手先の細かな運動を『微細運動』といいます。
DCDは、この両方の協調運動にぎこちなさが目立ち、遅かったり、不正確だったりします。
次に、DCDの幼児期から大人までの症状を年代別に紹介します。
【幼少期の特徴】
・ボタンをはめたりファスナーを上げられない
・平坦な場所で転ぶ
・転んだときに、手が前に出ない。
これらは、幼少期に見られるDCDの特徴です。
このほかにも、食事・排泄・歯磨きなどの日常生活動作や、遊びの中でも不器用さや、ぎこちなさを感じることがあります。
しかし、幼少期は運動技能の獲得にかなりの個人差があるため、5歳以前にDCDと診断されることは少ないようです。
【学童期以降の特徴】
小学校に上がると幼児期より、複雑で繊細な動作を求められるようになります。
DCDの子は、書字などの微細運動で協調運動障害が現れ、不器用さが目につくようになります。
具体的には、
・文字をマスの中に書けない
・文房具を上手く使えない
・ボール運動が苦手
などの状態が目立ってきます。
協調運動の不正確さにともなう、学習の遅れが起こることもあります。
【大人の特徴】
50〜70%の児童が青年期以降も、協調運動の問題が続くといわれています。
大人になって問題になるのは、
・髭剃りや化粧などの整容
・料理や家事
・自動車運転
・タイピング
・細かい手作業
などの生活動作です。
社会人として生活を送る上での、職業技術の習得などに困難な課題が生じることがあります。
【まとめ】
DCDの人は、運動技能の獲得に多くの時間がかかります。
定型発達の人よりも技能の習得に時間がかかるのは、決して本人が怠けているからではありません。
療育などのトレーニングによって、少しずつ運動技能を獲得していく子もいます。
DCDの性質を周囲が理解し、ゆっくり成長することを、温かくサポートしていけたらいいですね。