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母乳育児の間違った常識5選 脂っこいものを食べても母乳は詰まりません

ねんねママ(和氣春花)乳幼児育児アドバイザー

皆さんは母乳育児においてこんなことを思っていませんか?

脂っこいものを食べると母乳が詰まる

授乳中は薬を飲めない

夜中におっぱいを飲んでいると赤ちゃんが虫歯になる

1歳をすぎると母乳から栄養がなくなる

妊娠したら断乳しなければいけない

実はこれ、全て誤解です。

乳幼児育児アドバイザーとして活動していく中で得た、母乳専門の方々から知った意外な母乳のお話をシェアしていきます。

間違った母乳育児の常識①脂肪分が多い食べ物はおっぱいが詰まりやすくなる?

産院でそう言われたという方も多いのではないでしょうか?現代でも「脂肪分の多いものを食べると母乳の脂肪の度合いが高くなって詰まりやすくなってしまう」という話は多く聞かれます。

しかしこれは事実ではないということがわかっています。和食が乳腺炎予防に良いという話も間違いです(もちろん健康のために栄養バランスの良いご飯を食べるということは大切なので、そういった意味では和食が良いというのも間違ってはいません)。

乳腺炎予防に良いかという意味では、食事と乳腺炎には繋がりはありません。

なぜかというと母乳中の脂肪球は直径0.002〜0.006mm、一方で通り道である乳頭に近い乳管の直径は2mmなんです。なので母乳中の脂肪球で乳管が詰まるということは考えにくいのです。

また、食べたものがそのまま母乳になるわけではありません。仮に脂肪分の多い食事をしても、母乳中の脂肪は増えず、母乳の成分はほぼ変わりません。

健康的な食事は大切ですが、脂肪分の多いものを食べたからといって詰まりやすくなるというわけではありません。

ただし、体感としてこってりしたものをたくさん食べると詰まるような気がする、という方もいらっしゃると耳にします。そのような体感がある場合は、各々でご調整いただくのがよい判断だと考えます。

間違った母乳育児の常識②授乳中は薬を飲めない?

飲めない薬もありますが、授乳中でも飲める薬はたくさんあります。また、麻酔を使った歯科治療も可能だそうです。

間違った母乳育児の常識③夜に母乳を飲んでいると虫歯になる?

ねんねの相談に関連して「虫歯も気になるので夜間断乳しようと思って」という声をよく聞きます。

しかし母乳中に含まれる乳糖は虫歯の原因にはなりません。ただ、砂糖などを含む食べ物のカスが残った状態で母乳を飲むと虫歯になることがあるため、寝る前にしっかり歯磨きをすることが大事です。

間違った母乳育児の常識④1歳すぎたら母乳は栄養がなくなる?

減る栄養もありますが、栄養がなくなることはありません。母乳だけで全ての栄養が賄えるということではなくなってきますが、母乳自体にはしっかり栄養が含まれています。

母乳に含まれる免疫成分もなくならないので、1歳をすぎても赤ちゃんを病気から守ってくれます。

間違った母乳育児の常識⑤妊娠したら断乳しなければいけない?

「妊娠したので授乳をやめなければいけなくて…」とご相談をいただくことがあります。しかし妊娠が順調な場合はやめなくても大丈夫とされています。

授乳が流産・早産の原因になるという根拠はなく、授乳を続けることが可能とされています。妊娠を理由に上の子への授乳をやめなければいけないということはありません。

ただし、切迫早産や前置胎盤、腹痛を伴う出血があるなど異常がある場合は避ける必要があるでしょう。お医者さんと相談しながら続ける道もあるという選択肢も知っておいていただければと思います。

おわりに

意外なことはありませんでしたか?私は「脂肪分が多い食べ物はおっぱいが詰まりやすくなる」というのを産院で耳にしていたので驚きでした!

正しい知識、新しい知識を取り入れながら育児を楽しく、ラクにできるお手伝いができたなら嬉しく思います。

<参考>『助産師さき先生のはじめての母乳育児』(すばる舎)

▼YouTube動画でもお話しています。

乳幼児育児アドバイザー

乳幼児育児アドバイザー。小児スリープコンサルタント。0-3歳モンテッソーリ教師。株式会社mominess代表。YouTube「ねんねママのもっとラクする子育て情報局」やInstagramなどで乳幼児の育児に関する発信を続け、2024年現在、SNSの総フォロワーは19万人超。運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。著書に『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』『〇✕ですぐわかる!ねんねのお悩み消えちゃう本』がある。

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