ヒトは4人に1人が「帝王切開」に。ペットはどんな出産方法があるの?
ヒトは4人に1人が帝王切開といわれています。出産は、もちろん、ヒトも犬も猫も命がけのできごとです。今日は、犬や猫のペットの出産について考えていきましょう。
経腟分娩(けいちつぶんべん)とは?
経腟分娩は、一般的な自然分娩で膣を通って子どもが生まれます。
獣医学が進歩するまでは、犬や猫はほとんど経腟分娩でした。医療介助をしないで出産することがほとんどでした。
場合によっては陣痛が弱い場合は陣痛促進剤を使うこともあります。
犬や猫の妊娠期間
犬や猫の排卵や妊娠期間が同じように思われがちですが、同じ哺乳類ですが違いがあります。そのことを見ていきましょう。
犬
メス犬には1年に1~2回の発情期があり、そのときに交配をすれば妊娠します。
ヒトや犬など多くの哺乳類は「自然排卵」でメスが排卵する前後のわずか数日のうちに運よく交尾があれば受精(妊娠)する仕組みになっています。妊娠期間は63日前後です。
猫
これに対して、メス猫の発情は日照時間が14時間を超えると反応して発情期を迎えるといわれています(栄養状態が良い、太陽の光だけでなく人工の照明でも1日12時間以上灯りがついている環境下にいる場合人工光の明るさなどの条件が揃えば一年中いつでも交尾、出産できます)。
猫は交尾をした刺激で排卵する「交尾排卵」動物です。いわば精子を迎えるように排卵が起こるため、交尾すればほぼ確実に妊娠します。猫の妊娠期間は平均63~66日です。
帝王切開とは
それでは帝王切開とはどんな出産方法でしょうか。
ヒトの方では、帝王切開によるお産は増加傾向にあり妊婦さんの4人に1人は帝王切開で出産しているそうです。
帝王切開とは、母体と赤ちゃんに危険が伴うと判断された場合や自然分娩では無理だと判断したときに開腹手術により赤ちゃんを取り出します。犬や猫の場合は、以下の場合が帝王切開されます。
□妊娠期間が過ぎているのに陣痛が来ない
□普通は数匹の子どもがいるはずなのに、1匹など数が少なく大きくなりすぎた
□母体の骨盤が狭く子どもが出にくい
□エコーなどで子どもの心拍がわからない
□ブリーダーが飼われている犬や猫
□短頭種(フレンチブルドッグ、ブルドッグ、パグなど)の子は帝王切開が多い
□母体が小さい子(ティーカッププードル、チワワ)は帝王切開が多い
帝王切開の問題点
帝王切開は開腹手術をするので、術後、母犬や母猫が感染症になることもあります。もちろん、麻酔をかけるのでそれで事故が起こったりもします。いま問題になっているのが、犬や猫のブリーダーが経腟分娩ではなく、何回も帝王切開していることです。
チワワやフレンチブルドッグなどの人間が改良したことによって、自然分娩で出産できにくい子がいるのも事実です。
ペットショップに並んでいる子犬や子猫はどのような出産なのかわからないことがほとんどです。母犬や母猫が自分の命をかけて新しい命をこの世に送り出しています。そんな尊い命であることをしっかり考えて終身飼育をしてもらいたいものです。