猫の『不思議なしぐさ』7選!トイレ後のダッシュやフード皿ホリホリ…猫の謎行動には理由があった!
猫は時折、わたしたち人間には理解しがたい不思議な行動をとることがあります。
しかしその行動ひとつひとつにも、猫なりの本能的な理由が隠されているようです。
そこで今回はよく見られる仕草7つの紹介と、その理由について解説していきます!
1.猫の『不思議なしぐさ』7選
1‐1.トイレ後のダッシュ
猫がトイレをしたあとに、突然走り出すシーンを見たことはありませんか?いわゆる「トイレハイ」という行動です。
ときには砂をまき散らしながら、とくに驚かしているわけでもないのに、まるでなにかから逃げるように猛ダッシュをします。
実はこれには猫なりの理由があって、「危険回避」のためなのだそうです。
というのもトイレ中というのは、猫にとって無防備な状態。背後から敵に襲われるリスクが高いわけです。
そのためトイレが終わった直後に本能的に「よし!危険を回避しろ!」と自分を奮い立たせるかのように猛ダッシュするのですね。
これが「トイレ後ダッシュ」の秘密です。
1‐2.獲物を狙いながらお尻ふりふり
猫と遊んでいるときや、猫が獲物を見つけたときに頭を低くしてお尻をふりふりすることがあります。
一見楽しそうにダンスをしている?と思いがちですが、そんなわけではありません。これは猫にとっては「準備運動」なのです。
狩猟動物の猫は、イエネコになってもその本能は消えません。
そのため獲物を捕えようと「狩りモード」になると、お尻をふりふりしながら獲物をロックオンして、バッと勢いよくとびかかるのです。
これが猫の狩りの一連の流れ。お尻ふりふりの隠された理由です。
1‐3.フード皿をホリホリ
猫が食事中にフード皿をホリホリする様子を見たことある飼い主さんは、多いかもしれません。
わたしは動物病院に勤めていたときも、猫の飼い主さんにフード皿ホリホリの理由について聞かれたことがあります。
このフード皿ホリホリの理由は、ご飯が気に入らない・うんちのにおいがするなど、さまざまな説がありますが、なかでも濃厚な説は「あとで食べるから隠しておこう」というもの。
野生で生きていた頃の猫は、食事があまると土のなかに埋める習性があります。
土をかけておかないと、ほかの動物に獲物をとられてしまうリスクが高まるからです。
その習性が現在のイエネコにもしっかり受け継がれていて、フード皿をホリホリするのは、猫なりに土をかけて隠しているつもり。「お腹いっぱい」の合図なのです。
ちなみに隠したつもりのフードですが、イエネコの場合はその後食べ直すことは少なく、隠したことも忘れている猫が多いようです。
1‐4.かわいく首をかしげる
猫のほうをみたら首をかしげて、愛嬌たっぷりで見つめている!と思ったことはありませんか?キュルキュルの瞳でこっちをみられると、思わず飼い主はメロメロになってしまいます。
ただしこの行動は飼い主に愛嬌をふりまいているわけでも、あざといわけでもなく、「見えないから顔の角度を変えているだけ」なのです。
猫は視力は0.1ほどといわれていて、遠くのものはボヤっとしているといわれます。
そのため「遠くに気になるものがある~でも見えない!」というときに、首をかしげて対象物を見ようとするのです。
それほどまでに、一体何を見たいのでしょうか…。
1‐5.無音の「ニャー」
猫と目があったときに口は開いているけど、鳴き声がでていない状態を目撃したことがあるでしょう。
「サイレントニャー」ともいいますが、無音でなにかを訴えてくる姿にキュンとしてしまう飼い主も多いようです。
実はこのサイレントニャーですが、声は出ています。
ただし、人間の耳では聞き取れない高周波の音なので、人間には「無音」と感じるのです。
猫は母猫に甘えるときに非常に高い声で呼びかけるので、飼い主のことを母猫だと思い「かまって~」と呼びかけているのでしょう。
1‐6.首根っこをつまむと無抵抗になる
猫の首根っこをつかむとおとなしくなる理由の一つは、母猫の育児行動にあります。
子猫は、生まれてから数週間は母猫によって首根っこをつかまれて移動されるのですが、その際に子猫は力を抜いておとなしくなるという行動をします。
「PIBI(Pinch‐Induced Behavioral Inhibition):つまみ誘発性行動抑制」と呼ばれ、安全に母猫が子猫を移動させるための猫の本能的な行動です。
つまり首根っこをつかまれると「移動するから静かにしてなきゃ」とリラックスモードになって、おとなしくなるのです。
成猫になってもその本能は消えず、首根っこをつまむとおとなしくなります。
ただし成猫は体が重い分首への負担が大きいので、イタズラや面白がって首ねっこをつかむのはやめましょう。
1‐7.びっくりして垂直のジャンプ
猫が脅威を感じたときに、垂直ハイジャンプする様子はよくみられます。
とても高いジャンプ力で「猫らしさ」を感じつつ、なぜ真上に飛び上るのだろうか…と疑問に思う人もいるでしょう。
この行動にも、猫の本能的な理由があります。実は垂直ハイジャンプは、危険回避のための反射的な行動です。脅威を感じると勝手に体が飛び上ります。
脅威の実態はわかっていなくても、ひとまずその場を離れられたら安全という意味があるようです。
つまり猫が身を守るための、猫にとって大切な本能的な反応なんですね。
ただし猫にとっては恐怖体験にもなるので、ハイジャンプを見たいがための脅かしはNGです!
2.まとめ
猫の不思議なしぐさは、本能的な行動から引き起こされていることがほとんど。
現代の室内飼いの猫でも、その遺伝子に刻まれた行動パターンは健在なのです。
猫の行動にはまだ解明されていない謎も多くありますが、単に猫の面白い仕草を見るだけでなく、猫の気持ちを理解するための手がかりとして観察するのもいいですね!