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【北京オリンピック】男子アイスホッケーはどうなる? 国際連盟会長が明かした「4つのプラン」

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
2022年の冬季大会開催へ中国はロシアとの関係を深めアイスホッケーの強化を進める(写真:ロイター/アフロ)

 「東京オリンピック」の2年後に開催される2022年の北京オリンピックは、中国で開催される初めての冬季オリンピック。

 さらに加えて、既に北京は2008年の夏季大会を開催したため、史上初めて「夏季、冬季両大会のホストシティ」となるだけに、世界各国からの注目が集まります。

▼冬季大会の花形競技!

 冬季オリンピックの花形競技と言えば、「男子アイスホッケー」!

 日本をはじめ、アジアでは「人気競技」と言い難いものの、欧米では掛け値なしに最大の注目競技。

 それを証明するかのように、冬季大会では必ず閉会式前に男子アイスホッケーの決勝戦が行われ、最後の金メダルを懸けた”クライマックスの戦い”として、盛り上がりを見せています。

▼ピョンチャンは主役抜きの大会に・・・

 ところが、2月に開催された「ピョンチャン(平昌)オリンピック」では、主役となるべきNHLのスター選手たちのプレーを見ることができませんでした

 NHL側がシーズン中に選手を派遣することによって、チームの看板選手がケガをするリスクと、レギュラーシーズンの中断期間(オリンピックブレイク)を設けるのに伴う収入減などを問題視。

 その一方で、NHL主催の「ワールドカップ」を12年ぶりに再開させ、独自路線で収益アップを目指す方向へ舵を切ったのが、大きな要因となりました。

 

▼北京はどうなる?

 では、4年後の北京オリンピックはどうなるのか?

 アイスホッケーのみならず、スポーツファンの皆さんも気になるところでしょう。

ルネ・ファゼル国際アイスホッケー連盟会長(Courtesy:@IIHFHockey)
ルネ・ファゼル国際アイスホッケー連盟会長(Courtesy:@IIHFHockey)

 オリンピックのアイスホッケー競技を統括する国際アイスホッケー連盟のルネ・ファゼル会長(68歳・上の写真)は、カナダで開催されているジュニアの国際大会「フリンカ グレツキーカップ」(前イバン・フリンカ カップ)の会場で、現地のメディアに対して下記の「4つのプラン」を明かしました。

 

▼北京オリンピックの4つのプラン

<1> 1998年の「長野オリンピック」から、2014年の「ソチ オリンピック」まで続いた(NHLのオリンピックブレイクを利用して)現役NHL選手も参加した各国代表チームによる大会

<2>今年2月の「ピョンチャン オリンピック」と同様に、オリンピックブレイクを設けたリーグに在籍する選手や、未契約の選手を集めた各国代表チームによる大会

<3>NHLチームとの契約をしていない選手の中で、U23(23歳以下)の選手によって構成された各国代表による大会

<4>男子アイスホッケーを開催しない

▼最善のプランは1つ目だけど・・・

 「私にとって最善のプランは、もちろん1つ目の案だ」

 ファゼル会長は、このように話しましたが、北京オリンピックの男子アイスホッケーは、どのように行われる(or 開催されない)のでしょう?

 余談ですが、NHLのゲーリー・ベットマン コミッショナーは、最初にアイスホッケーが開催されたのは、1920年の夏季オリンピック(アントワープ大会)だったことから、昨年の春に「夏季オリンピックでのアイスホッケー競技開催」について、話し合ったことを明かしています。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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