京都の店頭販売限定!「とらや」さんの小型羊羹で楽しむ白味噌と黒豆黄粉のはんなりな味わい
たかが羊羹、されど羊羹。いまやコンビニでもスーパーでも手に入る和菓子の代表格の羊羹。しっかり密封された練り羊羹は長期保存が可能なため、災害時の保存食にも推奨されるほど国民食、いえ、国際的にも浸透しつつある和菓子です。
さて、そんな羊羹にもサイズが様々あると思ったことはありませんか?一般的なサイズ(棹・さお)は大きすぎて食べきれないし、自宅用というよりはご贈答用かなぁなんていう声もちらほら。昔と違い、ひと世帯あたりの人数は現象しておりますしね。
さて、そんな羊羹でも食べきりサイズの商品を見たことはありませんか?羊羹の大御所、日本の羊羹といえばな「虎屋」さんから、今もなお人気の小型羊羹が販売されはじめたのは1930年。現在の小型羊羹の重さはひとつ約50g。当時の羊羹といえば、ひと棹約1.5kgほどのものだったといいますので、いかに軽量化されたか実感できるのではないでしょうか。
割高だったとはいえ、1棹購入するよりも安価なので大人気だったとのこと。
今回は虎屋さんの小型羊羹から、京都の店頭販売限定の「白味噌」と「黒豆黄粉」をご紹介。
スンと鼻を近づけた瞬間から「白味噌」の香りがふんわり。使用されているのは京都虎屋茶寮一条店の近くにお店を構える老舗、本田味噌本店さんの西京白味噌を使用しているとのこと。
白味噌を鼻腔で感じるだけでほのかな塩気を連想させるのですが、実際はそんなことはなく。上質な白あんの甘味やふくよかさといった、繊細な個性が組みひものように絡み合い優雅な甘露に。ふんわりとまろやかな白味噌ですが、こちらの羊羹では要所要所を引き締めてくれるような一面を持ち合わせています。
ちなみにこちらの白あん、白小豆・手亡豆・福白金時と三種類の豆がブレンドされているという拘りも。
黒豆も黄粉も、華やかと例えられることは少ない食材ではありますが、不思議と紅茶のような芳しさが立ち昇ります。不思議な感覚を抱いたまま一口齧ると、黒豆の香ばしさが口の中にひゅっと飛び込んでくるではありませんか。使用されている黄粉には、京都産の黒大豆と大豆の中でもトップクラスの甘味を持つといわれる大鶴大豆を煎ったものが使用されております。
さらに、追いかけるように黄粉のわずかにねっとりとしたような舌にまとわりつくような濃厚な風味もじわじわと口の中へ広がり、再び紅茶のような余韻を残してまた次のひときれへ。
いずれもほっと心落ち着くような、それでいて和の魅力を存分に実感できるフレーバーです。小豆餡、いわゆるあんこのだけではなく、こういった他の和の食材の魅力も見事に掛け合わせられた羊羹は、海外の方へのプレゼントにも重宝しそうです。