【食べ比べ】間もなく終了!甘い鮎は旬の内に。季節の和菓子に銘店の個性と拘りを感じて
端午の節句が過ぎた頃から店頭に並び始めた鮎の和菓子も、6月いっぱいにて次のお菓子へとバトンタッチをするお店がちらほら。魚の鮎はまだまだ鮎釣りも楽しめ味わいも旬ならではの美味しさを堪能できますが、和菓子の世界では早くも次の季節へ。
今回ご紹介する鮎の和菓子三種類は、いずれも全国的に有名な看板商品を販売する和菓子屋さんの鮎たち。
名実ともに実力派ともいえるお店の季節の和菓子にも注目です。
広島県の蜜屋本舗さんの「若鮎」は、さすが焼き菓子に定評のある蜜屋本舗さんというところ。ぱんぱんに膨らんだお腹が個性的で可愛いらしい!柚子が香る力強い求肥は食べ応えがあり、それでいてふっくらとした皮が効いているのか、こっくりとした皮のまろやかさはどことなくハイカラな味わい。
広島県産の蜂蜜を使用したお菓子が評判ということだけあり、最後は柚子蜜のような甘酸っぱい可愛らしい味で締めくくり。
葛饅頭でお馴染み、福井県の伊勢屋さんの「若あゆ」は、鮎菓子の中でもかなり保湿性の高い、非常にしっとりとした皮が特徴的。持ち上げた瞬間、きっとその繊細さと潤いを指先で実感できるかと。主張を抑えた皮がアシストするのは、とろりと柔らかでクリアな求肥。
その求肥はレモンの涼香にほんのり柚子が潜む爽やかな仕上がりに。夏も間近な太陽の煌めきを映す求肥の涼し気な色合いを含め、少し汗ばむ季節にもぴったりです。
最後は滋賀県のとも栄さん。とも栄「淡海あゆ」は、どこかがっしりとした体躯に凛々しいお顔立ち。ですが、きめ細やかで均一な焼き目が美しい皮肌からはふんわりと甘い香りが漂い、更に小豆の美味しさをも感じられる粒餡が求肥以上にたっぷり!鮎の和菓子は数あれど、粒餡も一緒に味わえるものはかなりレアなのではないでしょうか。求肥だけの鮎とは異なり、むしろより親しみやすい味わい。
淡海、「おうみ」というネーミングセンスも素敵です。
自らの得意分野を活かしたもの、その季節の魅力を反映させたもの、視点を変えあるようでなかったベクトルからアプローチをして価値を高めたもの、それぞれの個性がきらりとひかるものばかり。
ぜひ、定番商品だけではなく、そのお店の技が活きる季節の和菓子も味わってみてくださいね。