【元美容看護師が実況】PRP・FGFの膨らみすぎ問題?美容外科の現場で見る確率と実態!
こんにちは!元美容ナースの繁和泉です。
私の勤めていた美容外科では、PRPと呼ばれる血液から抽出した多血血小板製剤に成長因子・FGFを添加して注入する、若返り治療を取り入れていました。
10年以上前から再生医療として注目され始めた「 PRP」。美容医療だけではなく整形外科領域などでも活用されるようになっています。
患者さんご本人の血液から抽出する血液製剤なので、注入時の拒否反応などは基本的に考えにくい若返り治療と言えるでしょう。
しかし近年、成長因子・FGFを添加したPRPが膨らみすぎてしこりになるというような噂をよく耳にするようになりました。
10年以上PRP製剤を治療として提供していた美容外科に勤務していた経験から、この実態について深掘りしていきたいと思います。
1.【結論】 PRP製剤だろうがヒアルロン酸だろうが、下手な医師が注射したらしこりになる
まず大前提として、伝えておきたいのが注射製剤が何であれ、医師の技術が未熟であればしこりのような凸凹が生じてしまうリスクは必ずあるということです。
ヒアルロン酸注射は、元々人体にあるヒアルロン酸成分を製造し注入しますが、ヒアルロン酸の入れ方や入れる場所によっては表情を作った時にポコンと盛り上がり膨らんで、しこりのように違和感のある状態になってしまいます。
PRPももちろんこのリスクはあります。つまり、凸凹とした違和感のある仕上がりになるかどうかは、医師の技術によるところが大きいと言えるでしょう。
2. くぼんだところに注入する際には1箇所に厚めに注入するので触るとしこりのように感じる
ヒアルロン酸注射にしても、PRPにしてもくぼみが深いところのお悩みを改善するには、注入して膨らみを持たせる効果を狙うためかなりの量を1箇所に集中的に注射する必要があります。
注入後に一見問題がない仕上がりだとしても、後々注射したところを触った時にポコンと触れるような感覚があったり、表情を大きく変えた時に周りの表情筋や脂肪の動きによりしこりが盛り上がっているような変化を見せることもあります。
ヒアルロン酸やPRPなどの注射によるプチ整形で大きなくぼみを盛り上げ、フラットに見せて若々しさを演出するために、くぼみを埋める施術が必要です。
そのためもともとくぼみが強かった部分を、施術後に触った時にしこりとして感じてしまうことがあるようです。
3. 注入物の塊が気になった場合の対処法は異なる
稀にではありますが、ヒアルロン酸注射にしてもPRPにしても、注入した後の膨らみ感やしこり感が気になり、なんとかしてほしいと希望される患者様もいらっしゃいます。
ヒアルロン酸注射と成長因子添加のPRPはこの時の対処法が大きく異なるのです。
ヒアルロン酸注射であれば、ヒアルロニダーゼというヒアルロン酸を溶かす酵素を注入することで、あっさりとその問題は解決できます。
ヒアルロン酸の塊がすぐにとけ出すので、しこりと感じるような凸凹はすぐに解消することができるのです。
一方でPRPの場合、 自身の血小板と添加した成長因子・FGFによる細胞の活性化が起こっている状態です。
膨らみすぎたと感じた場合には、その反応を抑えるための注射をします。一般的にはケナコルトと呼ばれるステロイド系の注射を、気になっている部分に直接注射します。
注射をすることにより気になる凸凹にアプローチしていくらか症状は和らぎますが、ケナコルト注射の効果が切れた時には再度盛り上がりを見せることもあります。
万が一のことを想定すると、リカバリーの難易度が高いのは成長因子・FGFを添加したPRPであることは間違いありません。
4. 実際の診療現場で見た、膨らみすぎて何とかしてほしいという訴えは10%程度
成長因子・FGFを添加したPRPは、うまく活用すればヒアルロン酸と比較しても非常に持ちが良く、且つ皮膚の張り感やつや感も演出できるため非常にコスパの良い施術であると言えます。
短くても3年程度は効果の実感が得られますし、長ければ10年以上注射した場所に留まっているケースもあるのです。
一度注入して馴染んでしまえばヒアルロン酸のように繰り返す必要がなく、自身の細胞の働きが活発になっている状態なので、長い目で見てもメリットの大きい治療です。
では実際に、近年噂になっている「膨らみすぎる」という患者様からの訴えはどの程度あるのでしょうか?
統計を取ったわけではないので、あくまでも私の経験から推測される確率ではありますが、全体から見てもおよそ5〜10%程度ではないでしょうか。
先ほども述べましたが、しこりと感じるかどうかは医師の腕によるところが大きい実態もあります。
非常に稀にではありますが、患者さん本人の血小板の活性が良いことにより予想以上にボリュームがででしまうケースもありますね。
注入センスがあり、技術力のある医師であればさらにこの確率は下がるでしょうし、逆に言えば、技術や注入量の見極めが未熟な医師だった場合にはこの確率がもう少し上がるかもしれません。
5. 気をつけたいのは額などの皮膚が薄い場所
これも私の体験談ではありますが、膨らみすぎて凸凹になったという訴えが割と出やすいのは、額など皮膚が薄くその下に骨があり凸凹がごまかしにくい場所は患者様の訴えが多いような印象を受けます。
逆に言うと目の下や頬など、軟部組織が比較的しっかりとあり、表情筋などで注入物の動きも邪魔されない場所は凸凹して困ったという訴えも少ない印象です。
ですので、額の注入を検討している人は、特に医師選びを慎重に行った方が良いという結論になりますね。
私が見てきた医師の中では、額に注入する時はあえて2回目の保証を必ずつけて、1回目は量を少なめにして注入する調整をしていました。
血小板を使用する注射なので、人によりどのぐらいの反応があるかどうか、医師としても未知数な場合は慎重に対処するケースもあるようです。
1回目に注入して、PRPの効果を見てどの程度の効果が得られたか、それを判断した上で2回目の注入を施し最終的に完成とさせる方法を取り入れてる医師もいました。
【まとめ】成長因子が入っているPRPだからと言って必ず凸凹になるわけではない。重要なのは医師選び
PRPに成長因子を添加したら、凸凹になって取り返しのつかないことになるという噂。
未熟な医師や営利に傾倒して1回でサクッと終わらせたいと考えている医師は、慎重さをなくしてしまい、むやみやたらと注入した結果、被害に遭う患者さんが増えて悪い噂が一人歩きしてしまったのかもかもしれません。
患者さんの血小板の特性や、とりあえず入れておこうと適当に判断して施術してしまったからこその過剰な反応が起きて凸凹になってしまったのでしょう。
事実として膨らみが過剰に出てしまうケースも少なからずあります。
しかし、きちんと患者さんの症状を見極めた上で注入量や成長因子の添加量を調整すれば、不自然な凸凹が生じてしまったという事態も極力回避できるはずです。
つまり、重要なのはPRPだから良くないということではなく 、担当した医師選びが良くなかったからこそ凸凹してしまったのかもしれませんね。
ヒアルロン酸であってもPRPであっても腕が未熟な医師が担当すれば、しこりや凸凹が生じてしまうリスクは同じようにあるのです。
成長因子入りのPRPは、うまく活用すれば非常にコスパの良い若返り治療の一つであると言えます。
症例写真やカウンセリングをした際の医師のキャラクターを吟味するのはとても重要です。
さらにPRPを検討した際に必ずチェックして欲しいのが「クリニックでどのぐらいのスタッフがPRPを受けているのか」という部分をです。
医師の腕を間近で見ているスタッフが信頼して体を預けているかどうかは、重要な指標の一つになりますよ。