湯の質にこだわりたい!「源泉かけ流しが基本の温泉地」5選(九州編)
温泉の良し悪しは「鮮度」で決まると言っても過言ではない。常に新しい源泉が湯船に注がれ、そのままあふれていく「源泉かけ流し」にこだわる温泉ファンが多いのはそのためだ。
反対に、源泉を使いまわす循環ろ過の湯船になると、当然ながら鮮度は落ちることになる。源泉かけ流しか否かは、入浴感を大きく左右する大きな要素である。
ただ、「源泉かけ流し」を実現できるかどうかは、湧出量や温泉施設の湯の使い方にもよる。鮮度の高い湯に入りたいなら、「源泉かけ流し」が基本である温泉地や宿を選ぶ必要がある。
そこで、今回は「源泉かけ流し率」が高い温泉地を九州エリアに絞って5カ所紹介したい。
別府温泉郷(大分県)
別府といえば、共同浴場(外湯)を抜きに語ることはできない。町なかをふらふらと歩けば共同浴場にたどりつく、というくらい数多くある。それらのほとんどは源泉掛け流しで、小さな湯船に鮮度の高い湯が満たされている。観光の合間にふらっと地元の共同浴場に立ち寄るのも楽しい。その別府の共同浴場の象徴的存在ともいえるのが竹瓦温泉。風格漂う建物は、まるで映画のセットのようだ。
黒川温泉(熊本県)
静かな山間部に30軒ほどの宿が並ぶ。遊興施設などはないが、日本の原風景ともいえる里山の風景が広がる。ほとんどの宿が風情あふれる露天風呂をもつだけでなく、源泉かけ流しだ。「入湯手形」を購入すれば、宿泊する旅館以外の露天風呂を湯めぐりすることも可能(日帰りも可)。浴衣姿で湯巡りをするのが楽しい温泉地である。
宝泉寺温泉(大分県)
良質な温泉地がひしめく九重町にある温泉地のひとつ。10軒弱の宿が軒を連ねる。シンプルな透明湯ながら湯量に恵まれているため、各旅館とも源泉かけ流しを基本としながら、風情ある露天風呂なども備える。大分県はメジャーな温泉地が多いため目立たないが、湯は上質である。また、温泉街から少し離れた場所に位置する壁湯温泉は、足元湧出の洞窟風呂で有名だ。
長湯温泉(大分県)
炭酸泉でおなじみの温泉地。源泉が豊富な温泉地で、共同浴場はもちろんのこと、旅館のほとんどが源泉かけ流しの湯船をもつ。温泉宿が立ち並ぶ芹川の河川敷にあるのが、名物の露天風呂「ガニ湯」もかけ流し。野ざらしなので入浴には勇気がいるが、ほかにも共同浴場や日帰り入浴施設が充実しているので、湯浴みには困らない。湯治客用の宿が多いのも長湯温泉の特徴で、1泊2日といわず、連泊して入浴三昧がおすすめ。
平山温泉(熊本県)
山鹿市にある静かな温泉地。土産物屋や飲食店が集まっているわけでも、象徴的な温泉街が形成されているわけでもないので、全国的な認知度は高くない存在だが、泉質は九州でもトップクラスの「美人の湯」。ヌルヌルとした肌触りの源泉は、一度入ったら忘れられない超個性派だ。小規模の宿が多いが、そのほとんどが源泉掛け流しだ。共同浴場の元湯は、気軽に立ち寄りもできる。
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