はらぺこライターの旅人間です。前回に続き今回も本州最南端の地、和歌山県の串本町にある水族館「串本海中公園」について紹介しましょう。

前回は水族館の様子に加え「ウミガメの子供にタッチ」できるといった内容だった、今回は「串本の海中景観」が楽しめるスポットについて。

…と言うのは、海中観光船でウミガメに遭遇した。その様子をレポしましょう。

大阪市内から車で約3時間、本州最南端に位置する和歌山県の串本町は自然豊かで美しい海が広がる町だ。温帯と亜熱帯の生き物が分布し、世界的に珍しい海環境を持つという。そんな海岸沿いに「串本海中公園」がある。

同施設の水族館では、串本の海で見られる多種多様な生き物を約400種・4000匹展示されており、海中展望塔や海中観光船での海中観察もできる。

水族館の雰囲気は前回の記事で紹介しているので今回は割愛する。水族館を出ると、そこには「観光船ステラマリス」が停泊している。

そして先に見えるのが「海中展望塔」だ。海岸から140mの沖合にあり、塔内からは水深6.3mの海中景観を観察することができるという。行ってみよう。

「海中展望塔」

サンゴの群生する串本の海に突き出た海中展望塔の周りには、数百匹のメジナ（グレ）の群れが餌を求めて集まってくるそうだ。

水族館では大きな水槽の中に魚が泳いでいるので、行けば必ず魚を見ることが出来る。しかし、ここは自然の海に建物を埋め込んだ海中展望塔。その窓から魚が見えるとあるが…まぁ実際は運次第だろう。

建物に入ると、湿気と熱気がムワッと来る。そして、螺旋（らせん）階段を降りていくと、海底に潜って行く感覚に心が躍る。

この雰囲気、意外と映える。

そして丸い窓に顔を近づけて見るが魚は一匹もいない。「全然ダメじゃないか」と思い、隣に移っても同じ、次もダメ、その次もダメ。

「やっぱり水族館の水槽のように沢山の魚は見れないか」って思いながら、円形の展望塔を歩いていると…。

突然、魚の群れが…！す、すごい。

なるほど、ココに来たら360度ぐるりと全ての窓をチェックした方が良い。潮の流れなど様々な理由があるのかもしれない。向こう側はゼロだったが、こっち側には数えきれない程の魚が泳いでいる。

公式サイトによると、海中展望塔から観察できる魚たちは、塔の周辺に自然に集まってくる魚で、網などの仕切り一切ないそうだ。そのため、日によって、時間によって、季節によって魚の種類や数が少しずつ異なるという。

これまで270種以上の魚が観察されており、一回の観察で水温の低い時でも約20種、秋の多い時では70種以上の魚が見られたことがあるそうな。

ちなみに、公式サイトには「海中展望塔お魚カレンダー（外部リンク）」があるので興味のある方はチェックしておくと良いだろう。

「半潜水型海中観光船ステラマリス」

そして、次に「半潜水型海中観光船ステラマリス」に乗り込んだ。ちなみに、こちらは別料金となる。所要時間は約25分間、運行スケジュールは公式サイトで事前に確認しておくと良いでしょう。

この観光船は、サンゴの群生するポイントをめぐり、ガイドスタッフの海中解説とともに海中観察が楽しめる。

船内に入るとそこは海面下。中央に座って窓から海中の様子が見られる。

船が動き出すとサンゴの間に魚泳ぐ姿が見え始める。ちなみに、串本の海に広がるサンゴの群生地は「サンゴ礁」ではないそうだ。

やはり海中の世界は神秘的だ。

海中観光船は動いているので、写真は綺麗に撮れなかった。しかし、カメラはすぐに撮れるように構えていた。すると…！

一瞬だったがウミガメの姿が。そして急いで撮った写真がこちら。

スタッフの方曰く、ウミガメに遭遇するのは貴重で遭遇率は1割程度らしい。これは考え方だろうけど「1割もあるんだ」と私は感じた。

館内で「ウミガメタッチ」があるように、この串本の海にはウミガメが生息している。だから海中観光船で「ウミガメよ出てこい」と心の中で思いながら海中を見ていたら、サンゴの間に見えた。

これは意識していないと見逃していただろう。案外そのケースは多いかもしれない。意識して海中を見たら1割以上の遭遇率になるかもよ。

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取材協力：串本海中公園

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